ミシュラン、持続可能な複合材料技術と2050年目標をアジアで発表

ミシュラン・アジアパシフィック・メディアデー2025
ミシュラン・アジアパシフィック・メディアデー2025全 1 枚

ミシュランは、タイ・サラブリー県のノンケー工場で開催した「ミシュラン・アジアパシフィック・メディアデー2025」において、「ミシュラン・ビヨンド・パフォーマンス」をテーマに持続可能なタイヤ技術と複合材料の革新戦略を発表した。

このイベントにはアジア太平洋地域のメディアや業界パートナー、経営陣が参加。ミシュランは、1899年に電気自動車の速度記録を樹立して以来、革新を続け、タイヤから航空宇宙やヘルスケア分野まで広がる複合材料技術の開発に注力している。

同社の化学&イノベーション・コミュニケーション・ディレクターのシリル・ロジェ氏は、持続可能なタイヤ設計におけるライフサイクルアセスメント(LCA)やバイオ由来素材の利用、転がり抵抗の最適化が重要であると述べた。タイヤ使用時に環境負荷の80%以上が発生することを示しつつ、包括的な製品設計と責任ある製造の必要性を強調した。

イベントでは、物流企業DHLやMon Transport、業界キーパーソンであるSweetVarnVarnとのパネルディスカッションも実施。新興国市場における持続可能な物流拡大や環境目標の共有とその測定に向けた連携の重要性が議論された。

参加者はノンケー工場の航空機用およびトラック・バス用タイヤ生産拠点を見学。ミシュランの持続可能な製造技術とエンジニアリングの現場を体感した。

また、イベントの締めくくりではミシュラン一つ星レストラン「GOAT Bangkok」による複合材料の多様性に着想を得た特別メニューが提供され、科学的・美食的な革新精神を象徴した。

ミシュランは、130年以上にわたりポリマー開発やプロセス工学といった分野で研究開発を重ね、世界に6000人超の研究者を抱え、年間12億ユーロのイノベーション予算と1万1000件の特許を持つ。

企業ビジョン「すべてを持続可能に」の実現に向け、2050年までに100%持続可能なタイヤ製造を目標に掲げており、大西洋の帆船輸送推進や東南アジアにおける天然ゴム栽培の最適化、自動車産業の電動化支援などグローバルに脱炭素への取り組みを進めている。

《森脇稔》

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