L.CRASは、11月1日からインバウンド向け手荷物配送サービス「APEX24」を開始すると発表した。
同サービスは、アプリ上で配送先を選択し手荷物情報を登録するだけで、約2分程度でオンライン上でホテルから空港や駅までの配送予約を完了できる。旅行者の快適な宿泊体験をサポートする。
円安の影響で訪日観光客が急増し、公共交通機関や商業施設ではスーツケースによる混雑や放置などのトラブルが相次いでいる。「APEX24」は、オーバーツーリズムによる社会課題の解決を目指し、より良い観光体験のための「手ぶら観光」を推進する。
訪日外国人客数は2003年の521万人から2019年には3188万人へと大幅に増加した。コロナ禍は日本のインバウンド客数にも大きな影響を与えたが、2024年の訪日外国人客数は前年比47.1%増の3686万9900人へ回復、過去最高となった。政府は2030年に6000万人の目標を掲げており、今後もインバウンド市場は成長が続くことが見込まれる。
2024年の訪日外国人による消費総額は8.1兆円に達し、日本の「第2の輸出産業」とも称され、自動車輸出(約17.7兆円)に次ぐ規模となっている。2024年は1ドル=151円前後の円安環境が続き、この影響で消費総額が大幅に伸びた側面がある。
「APEX24」の当日配送では、当日預け入れた手荷物をその日のうちに空港・駅まで届ける。集荷日当日午前11時までの予約・手荷物の預け入れで、当日午後3時頃までに空港・駅へ届ける。配送先の空港は羽田空港・成田空港の2箇所となり、順次、主要駅・地方エリアへ拡大する予定だ。
送られた手荷物は、羽田空港・成田空港のJAL ABCカウンター窓口にて受け取れる。空港カウンターへの到着時には、配達完了の通知メールを送る。
安心の追跡サービスでは、手荷物の情報をQRコードで追跡し、大事な手荷物が今どこにあるのか、すでに到着しているのかを把握することができる。手荷物情報をデジタル管理するので、配達ミスや紛失などを防ぐ。
4ヶ国語の多言語対応では、2024年の外国人観光客のうち、約70%が東アジアからの入国者が占めている。このサービスでは、訪日外国人で最も多いとされる東アジアの言語を中心とした4ヶ国語に対応する(日本語・英語・中国語・韓国語)。
既存の配送サービスを利用した場合、依頼内容を確認、フロントスタッフが送り先への配送時刻の問い合わせ、伝票記入などホテル側が対応する負担が大きく業務を圧迫していた。同サービスでは、オンライン上で予約・決済、ホテルは手荷物を集荷時刻まで一時的に預かるだけで、煩わしい手書き伝票の対応から解放される。
広さに限りがある施設の場合、これまでは一時預かりした手荷物はロビーに並べて管理するしかないため、ホテル施設内のロビーが手荷物で圧迫されてしまうという課題があった。このサービスを利用すると、午前11時からドライバーが順次集荷するので、チェックイン前には手荷物がなくなりスッキリした環境で顧客を迎えることができる。
都内で当日のチェックアウト時刻(集荷日当日午前11時まで)までの予約ができる配送サービスは同社だけという。当日午前11時までに依頼し、その日の午後3時頃までに手荷物を届けるため、宿泊者の宿泊体験の向上、他ホテルとの利便性での差異化にも繋がる。
L.CRASは「明日を生きる力をつくる」というビジョンを掲げ、旅行業界やインバウンド市場へ向けた新たなサービスの創造を目指す。「APEX24」は配送サービスを通じたホテル業界の社会インフラへの成長を推進する。手ぶら観光を多くの人に体感してもらうことで、より良い宿泊体験の一助となるサービスづくりを追求していく。


 
                               
                               
                               
                              

