JTBと東海旅客鉄道(JR東海)は、11月1日より東海道新幹線を利用した東京-京都間の手荷物当日配送サービス「LUGGAGE EXPRESS」を開始すると発表した。
【画像】JTBとJR東海の東京-京都間の新サービス「LUGGAGE EXPRESS」
このサービスでは、例えば東京の宿泊施設で預けた荷物を提携運送業者の協力により、その日のうちに京都の宿泊施設で受け取ることが可能となる。東海道新幹線での観光地間の移動にあたり、スーツケースなどの大きな荷物の持ち運びから解放され、より身軽で自由に観光を楽しむことができる。
2023年3月31日に閣議決定された「観光立国推進基本計画」で、日本政府は2030年に訪日外国人旅行者数6000万人、訪日外国人旅行消費額15兆円という目標を掲げている。2024年に8兆円を超える規模に成長した訪日インバウンド市場だが、旅行者の一極集中への対応や受け入れ整備も急務となっている。
解決すべき課題の1つに、交通機関や観光地における「大型荷物による課題」がある。特に訪日外国人旅行者には、「移動時間を快適に過ごしたい」、「荷物を預けてゆっくり観光を楽しみたい」といったニーズがある一方で、宿泊事業者においては荷物の一時預かりや配送業者の手配などの負担軽減が課題となっている。
JTBとJR東海は、これらの課題解決と観光体験の向上を目指し、手荷物当日配送サービスを共同で開発した。
配送サービス区間は、東京都内一部の宿泊施設と京都市内一部の宿泊施設の間。
朝9時までに預けた荷物を、当日18時または21時までに受け取れる。予約は専用Webサイト。配送料金はレギュラー便(当日21時着)が1万3200円/個、エクスプレス便(当日18時着)が1万6500円/個(税込み)だ。預け場所は、東京駅と京都駅にも窓口を設けている。
旅行者のメリットとして、大型荷物を持ち歩く必要がないため、東海道新幹線での移動や観光地での自由度が向上する。手ぶらで自由に移動できるため、観光時間を最大限に活用可能となる。東海道新幹線を活用した即日荷物輸送サービス「東海道マッハ便」により当日中に荷物を受け取れる。多言語コールセンターによるサポート体制も確保している。
宿泊施設のメリットとして、予約・決済は利用者が完結し、伝票作成や記入作業が不要で受付スタッフの負担軽減につながる。締切後早い時間に集荷するため、荷物保管スペースを最小限に抑えることが可能。付加価値の高いサービスとして宿泊者に提案可能となる。
地域・観光地のメリットとして、大型荷物による交通機関や観光地の混雑を緩和し、地域住民への影響を軽減する。モーダルシフトにより、効率的な長距離輸送を実現し、環境負荷の少ない鉄道輸送を利用する。
今後は、チェックアウト後の昼集荷による当日配送サービスの拡充や、旅行会社向けのより迅速かつ柔軟な配送サービスの提供を予定している。また、より多くの宿泊施設や関係事業者との連携を強化し、サービス対象ホテルや拠点の拡大を進めていく。
さらに大阪をはじめとする他地域への手荷物当日配送サービスの展開も視野に入れ、より多くの顧客に快適で便利な「手ぶら観光」体験を提供できるよう、サービス展開を図る。


 
                               
                               
                              

