なぜ今「ミゼット」? ダイハツの“大発明”精神を伝える“おもろいもの”づくりへの探究心…ジャパンモビリティショー2025

ダイハツ ミゼットX(ジャパンモビリティショー2025)
ダイハツ ミゼットX(ジャパンモビリティショー2025)全 22 枚

ダイハツは「ジャパンモビリティショー2025」に『ミゼットX』を出展した。暮らしに寄り添った目線でつくり、その後の人々の暮らしを変えた「初代ミゼット」の発明精神を未来へ受け継ぐコンパクトEVとして開発。気軽に「みんなの身近な移動」を再発明したとしている。

だが、なぜ今「ミゼット」なのか。デザイナー主導で進められたというミゼットXの開発について、デザイン部長が語る。

◆とにかく“おもろいもの”を作りたかった

ダイハツデザイン部部長の皆川悟さんはミゼットXについて、「現状のカテゴリーでは軽自動車です」という。そして、「今回はブランドの再生とともにトヨタのグループビジョンの“発明”がありますので、ダイハツの発明は初代『ミゼット』だと考えました」。当時のミゼットは、「お客様の、特に街の小口配送や配達のニーズから生まれ、かつ人の移動も支え、変えたクルマでした」と振り返り、「そういった発明精神を未来に受け継ぐクルマとして、コンセプトではありますが今回提案しています」と説明。

提案したいユーザー層は、「もちろん小口配送も想定はしたいのですが」としたうえで、今回出展したモデルでは、「特にお子さんと一緒に自転車に乗っているお母さんの移動時の安全や雨の時の不便さの解消が目的です」という。ダイハツは積極的にユーザーの元へ行きインタビューをしているが、そのなかで、「女性からいまの軽自動車でもサイズが大きいという声が多く聞かれるんです」と皆川さん。そこで、「短い移動であればよりコンパクトで、より簡便な移動の仕方があるのではないか」と語る。そして、「そういった困りごとや家族のコミュニケーションを変えることができるのではないか」という提案であり、ある意味発明なのだ。

より小さいクルマというのであれば、もっとコンパクトにも出来ただろう。皆川さんは、「いろいろ検討しています。現在は横幅1.3m、全長2.2mと軽枠よりは小さいものの、それでもそれなりの幅はあります。ですのでもうひとつ下の全幅1.1mという中で何ができるかも考えているのです。ただ今回はまずコンセプトとして形にして、とにかく“おもろいもの”を作ろうとデザイン側が勝手に作ったというのが近いですね(笑)」と話す。


《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

+ 続きを読む

アクセスランキング

  1. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  2. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  3. 【トヨタ ランドクルーザーFJ】「ランクルらしさ」と“サイコロ”を融合した小さいランクル、デザインの肝
  4. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  5. ルノー『クリオ』新型、フランスで受注開始…約350万円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る