ポルシェ、250km/hまで走行中の振動と騒音を精密に再現…試験装置「FaSiP」活用

ポルシェの250km/hまで走行中の振動と騒音を精密に再現する試験装置「FaSiP」
ポルシェの250km/hまで走行中の振動と騒音を精密に再現する試験装置「FaSiP」全 3 枚

ポルシェは、ドイツ・ヴァイザッハ開発センターに新設した道路シミュレーション試験装置「FaSiP」を活用し、車両の振動や騒音の特性を精密に解析していると発表した。

【画像】ポルシェの250km/hまで走行中の振動と騒音を精密に再現する試験装置「FaSiP」

この装置は最高速度250km/hまでの走行環境を再現可能であり、縦方向の振動や上下動を独立したベルトユニットとサーボ油圧シリンダーによりリアルに再現する。

通常の実車テストは車両完成後に行うが、FaSiPでは試作段階から車両やモジュール単位での振動特性の検証が可能だ。これにより開発初期における設計変更が容易となり、効率的な開発を支援する。

タブレット操作で特定の軸の振動を減衰させたり停止させたりすることで、走行中の音の発生源特定が可能だ。実際にリアアクスル付近が振動でリアリッドを刺激し異音が発生していた事例では、吸振装置の取り付けで問題を解決した。

ポルシェの250km/hまで走行中の振動と騒音を精密に再現する試験装置「FaSiP」ポルシェの250km/hまで走行中の振動と騒音を精密に再現する試験装置「FaSiP」

FaSiPは他の車両メーカーなど外部顧客もポルシェエンジニアリングを通じて利用できる。ポルシェは、複雑化する車載メカトロニクス制御と短縮される開発期間を両立するために、本装置の活用により多様な走行環境下の振動・騒音検証と最適化を実現する。

専門家によれば、ホイールが回転しながらリアルに力が作用することがFaSiPの特徴であり、これにより実際の道路走行に近いデータが得られる。複数の周波数帯にわたる振動を精密に調整し、車種ごとの特有の振動フィンガープリントを確認・制御できる。

新たな試験技術により、スポーツカーの走行フィードバックや快適志向の車両の遮音性能を開発段階で調整。FaSiPはその運用の容易さや多彩な試験範囲から、今後の自動車開発の重要な基盤となると期待されている。長年にわたり蓄積された解析技術と高度なバーチャルテストと融合し、今後の自動車の快適性向上に貢献する、としている。

《森脇稔》

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