日本精工、ヒューマノイドロボット向けアクチュエータ開発…2028年市場投入へ

開発品(左:ロータリーアクチュエータ、右:リニアアクチュエータ)
開発品(左:ロータリーアクチュエータ、右:リニアアクチュエータ)全 1 枚

日本精工(NSK)は、拡大が見込まれるヒューマノイドロボット市場に向けて、ロータリーアクチュエータとリニアアクチュエータを開発したと発表した。

近年、ヒューマノイドロボットは労働力不足や高齢化などの社会課題解決に向けて、製造・物流・介護・サービスなど多様な分野での活用が期待されており、世界的に市場の拡大が見込まれている。

ヒューマノイドロボットには、人間と同様の体格・動作が求められており、産業用ロボットに要求される高精度、高信頼性といった性能要件に加えて「小型・軽量・高バックドライバビリティ」なアクチュエータが必要とされている。

今回開発したアクチュエータは、NSKの軸受・直動製品技術とメカトロ技術を融合し、小型化・軽量化・高バックドライバビリティを実現。ロボットのしなやかな動きに貢献する。

電源ソリューションに強みを持つデルタグループ(デルタ電子)との協業により、コンパクトな内蔵モータおよびドライバを搭載。ソフトウェア制御によりロボット全体のスマート化にも貢献する。

ロータリーアクチュエータは、小型軽量タイプでトルク重量比約110N・m/kgを実現。配線や配管の自由度を高める中空穴を確保し、負荷トルクを推定することでバックドライバビリティを改善した。

リニアアクチュエータは、高バックドライバビリティを実現するボールねじを採用。高密度高放熱レイアウトにより小型軽量化を実現し、最大推力重量比は約4300N/kgとなっている。

開発品は、設計自由度の向上、省電力・長時間稼働、高い安全性と柔軟性、スマート化への対応を通じて、ヒューマノイドロボットに求められる「しなやかな動き」の実現に貢献する。

NSKは本開発品を12月開催の「2025国際ロボット展」に参考出展し、顧客ニーズとのマッチングを図りながら2028年の市場投入を計画している。市場投入に先立って、顧客との共同検証や試作評価を目的としたサンプル提供も順次進めていく予定だ。

NSKは、ロボティクス領域においてグローバルに事業を展開し、2036年には主要事業としての柱に成長するよう事業拡大を図っている。

《森脇稔》

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