三菱電機は、プラスチックのケミカルリサイクルに使用されるマイクロ波加熱において、世界最高となる分解効率を実現する技術を開発したと発表した。
今回開発した技術では、マイクロ波の周波数によって異なる触媒の加熱特性を測定し、加熱効率の高い周波数を選定。さらにプラスチックと触媒の混合比を最適化することで、プラスチックの分解効率を従来比5倍に高めることに成功した。
従来のケミカルリサイクルでは、扱いやすさの観点から主にISM帯のマイクロ波が使用されていたが、加熱に時間がかかり大量の電力を必要とするためコストが高いという課題があった。また電波法遵守のため装置開口部からの電波漏洩を抑圧する必要があり、従来は加熱時に開口部を閉じるバッチ式が一般的で、プラスチックの連続投入ができないため分解効率に限界があった。
同社は新たに、装置内に設置した複数の共振器によって開口状態でも選定した周波数における電波漏洩を抑圧する技術を確立。これらの技術を組み合わせることで、加熱効率の高い周波数を用いたプラスチック分解装置の実現が可能となり、マイクロ波加熱を使用したケミカルリサイクルの低コスト化と社会実装に貢献する。
なお、この技術の詳細は「マイクロウェーブ展2025(MWE2025)」(11月26日~28日、パシフィコ横浜)に出展する。




