スマホのライトで照らして---地下鉄がトンネル内で脱線、避難訓練 東京メトロ

東京メトロ「異常時総合想定訓練」、「地震発生に伴う脱線による軌道・電気設備の損傷」を想定
東京メトロ「異常時総合想定訓練」、「地震発生に伴う脱線による軌道・電気設備の損傷」を想定全 18 枚

東京都心に地下鉄路線網を持つ東京メトロ(東京地下鉄)は11月18日、江東区の「総合研修訓練センター」で「異常時総合想定訓練」を実施した。今回は「地震発生に伴う脱線による軌道・電気設備の損傷」を想定した訓練だった。

【画像全18枚】

●営業線を模した「訓練トンネル」と現役の車両

訓練には、営業線を模した訓練線の「訓練トンネル」と営業運転にも使われる現役の車両を使用した。想定された異常(災害・事故)は、列車がトンネル走行中に地震による脱線が発生し、軌道・電気設備が損傷したというもの。駅社員・乗務員による乗客の避難誘導、消防隊と連携し負傷者の応急救護・搬送の訓練を行なった。

訓練で“乗客役”を務めたのは社員122人と、お客様モニター40人。また総合研修訓練センターを管内に置く東京消防庁城東消防署も訓練に参加した。

防災担当の鉄道本部安全・技術部木暮敏昭次長は「地震をはじめ日本は自然災害が多い。車両が脱線し、負傷者が発生するという、大きな被害を想定した訓練とした。訓練の成果を、各種異常時における迅速な対応、安全確保に応用したい」とコメント。

東京メトロ「異常時総合想定訓練」:駅からの救援の到着東京メトロ「異常時総合想定訓練」:駅からの救援の到着

●訓練の流れ

(1)地震発生

- 列車が走行中に地震発生、緊急指令を受信
- 地震により列車脱線(最後尾車両)、緊急停車
- 車内で急病人が発生し、心肺停止旅客を心肺蘇生

(2)状況確認

- 乗務員による状況確認
- 乗務員は車両前面非常扉に非常梯子の設置
- 駅からの救援・車両ドアへ非常梯子の設置

最寄りの駅から駅員(助役)が現地に到着、現地対策本部長として、情報を集約、指揮をとる。

東京メトロ「異常時総合想定訓練」:車内の乗客の避難誘導東京メトロ「異常時総合想定訓練」:車内の乗客の避難誘導

(3)旅客救護

- 車内の乗客の避難誘導、案内放送
- 負傷者の救護
- 消防による救護活動

木暮次長は「パニックを防止するために適切な案内が必要だ」という。一般に、地下にある地下鉄は地震に強いと言われ、東日本大震災でも、地上を走る鉄道と比較して建築物や施設の損害が少なかった実績がある。

東京メトロ「異常時総合想定訓練」:心肺停止者の搬送東京メトロ「異常時総合想定訓練」:心肺停止者の搬送

(4)避難誘導

- 非常梯子の設置完了後、避難開始
- 駅係員が先導し駅まで誘導
- 駅係員により移動困難者を避難誘導

負傷者は消防(救急)が来て手当てをしてからの移動、重症者や移動困難者(車椅子利用者)は担架や移動用トロッコが現場に到着してからの移動となる。そのため、自力で移動できる人が避難してから負傷者と移動困難者は避難する順番になった。もちろん負傷手当や移動支援の準備のタイミングによってはこの限りではない。

トンネル内歩行の際に「スマホのライトで足元を照らしてください」という呼びかけが、今ふうだった。また今回の乗客役にはいなかったが、最近、引きずっている人が増えたキャスター付きスーツケースは、避難の際に課題となりそうだ。

東京メトロでは、今回のような訓練を毎年1回、想定テーマを変えて実施している。

《高木啓》

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