HERE、業界初のSDV成熟度フレームワーク発表…4段階で自動車のソフトウェア化進展を定義

SDVの未来に向けて加速するHERE(イメージ)
SDVの未来に向けて加速するHERE(イメージ)全 1 枚

マッピング・テクノロジー企業のHERE Technologiesは11月17日、テクノロジーアドバイザリー企業Omdiaとの共同調査に基づき、自動車業界初となる「ソフトウェア定義車両(SDV)成熟度フレームワーク」を発表した。

同フレームワークは、ハードウェア中心の車両からソフトウェアファーストのモビリティプラットフォームへの進化を4つのフェーズで定義している。北米・欧州・アジアの647名の自動車専門家への調査に基づき策定された。

4つのフェーズがある。フェーズ1「Connected」(2026~2027年普及)では基本的なコネクティビティのみでユーザーベネフィットは限定的。フェーズ2「Augmented」(2027~2030年普及)ではADAS機能やOTAアップデートによるインフォテインメント強化で初めて顧客価値を提供する。

フェーズ3「Adaptive」(2030~2035年普及)はソフトウェアファーストへの転換点となり、ライフサイクル全体で機能を進化させる車両へと発展。サブスクリプションやデータ収益化がピークに達する。フェーズ4「Agentic」(10年以上先に普及)では完全なデジタルライフサイクル統合と予測型体験を実現し、OEMはモビリティサービスプロバイダーへ進化する。

調査結果では地域別の準備状況に顕著な差が見られた。中国およびAPAC地域のOEMの70%がフェーズ3までにオープンエコシステムのパートナーシップ導入を予定している一方、欧州OEMの50%以上、北米OEMの35%はフェーズ4以降まで導入を見込んでいない。

デジタルエンジニアリング環境についても、中国OEMの約90%がフェーズ3までに導入予定で、30%以上がフェーズ1から導入を開始する。対照的に欧州および北米OEMの半数以上はフェーズ3または4まで導入を延期している。

HEREとOmdiaは、自動車業界の進化を推進する取り組みとして、本フレームワークをSAE ITCに引き渡し、正式な分類体系としての採用を検討する予定だ。

《森脇稔》

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