Azoopは11月18日、運送会社向け業務支援サービス「トラッカーズマネージャー」に蓄積された3万台の車両に紐づく事故データを基に、トラックによる構内事故626件の傾向を分析した結果を発表した。
分析の結果、構内で発生した事故の61%がバック事故であることが判明した。さらにその約8割が接触による事故で、残り約2割は追突・衝突だった。
調査対象となった加害事故は1403件で、内訳は構内626件、路上777件。バック時の事故が多い理由として、構内の限られたスペースでの複雑な運転操作や後方確認の難しさ、繰り返し作業による油断、荷物の積み下ろしを迅速に行うための時間的プレッシャーなど心理的な問題が挙げられる。
路上の交通事故では様々な状況で事故が分散しているのに対し、構内では「バック」という特定の運転操作が事故の主要な原因となっていることが浮かび上がった。このため、バック時の事故予防が事故件数を減らすことに直結できると考えられる。
物流業界は2024年4月に適用された時間外労働の上限規制(いわゆる「物流2024年問題」)を経て、安全運行の確保とドライバーの負担軽減が課題となっている。特に11月以降はクリスマス商戦や年末の配送が本格化し、物流量が増加する年間最大の繁忙期を迎える。
今回の分析により、場所により事故の要因が大きく異なることが分かった。運送業界における事故防止策が、単一的なアプローチではなく、状況ごとの特性に応じた対策を講じる必要があることを示している。
Azoopは、運送業界の安全教育に特化したeラーニングサービス「グッドラーニング!」を提供する株式会社キャブステーションとの連携を2025年4月より開始し、「トラッカーズマネージャー」で提供している。
今回の調査対象データは2020年3月から2025年7月までの間に「トラッカーズマネージャー」に入力されたドライバーおよび事故情報。調査対象件数は事故記録が登録されたドライバー総数1万2898名、うち加害事故件数1403件。調査目的は運送業界の交通事故を減らすことを目的に、状況ごとの事故傾向を分析し、事故減少のための示唆を得ることだ。




