ヤマト運輸は、2024年1月の能登半島地震で被災し現在は仮設店舗で営業している石川珠洲営業所を移転し、能登地域の持続可能な物流インフラ拠点の第一弾として、11月25日から本格営業を開始した。
能登半島地震は石川県能登地域に甚大な被害をもたらし、同社の4カ所の宅急便営業所も被災した。被災直後から仮設店舗や応急措置により営業を再開し、荷物の集配や支援物資の輸送に尽力してきた。
能登地域は地震や豪雨など災害が多い地域で、能登半島地震以降は人口減少が加速している。一方で、日本初の世界農業遺産「能登の里山里海」に象徴される美しい自然や、新鮮な海の幸や能登牛などの食、輪島塗に代表される伝統工芸・文化など、数多くの魅力を持つ地域でもある。
同社は今後も社会的インフラとしての宅急便ネットワークの強靭化を図り、能登地域の暮らしを支え、地域の活性化に貢献していく。また、地域の事業者や自治体などと連携し、新たな提供価値の創出に向けて取り組む。
新しい石川珠洲営業所は、能登半島の最先端に位置し、他の都市とのアクセスが限られるため、能登半島地震によって道路やライフラインが遮断され、一時的にサービスの提供停止を余儀なくされた。新営業所は被災当時の教訓を踏まえ、BCP対策を講じている。
具体的には、停電対策として太陽光パネル・蓄電池やV2H(EVから建物に給電が可能なシステム)を設置。断水対策として受水槽・雨水活用システムを設置予定(2026年設置予定)。帰宅困難者対策として宿泊ルームとシャワー室を設置し、災害備蓄品を保管する。自然災害に強く、EVや太陽光パネルの導入など環境にも配慮したサステナブルな拠点となっている。
オープニングセレモニーでは、ヤマト運輸執行役員北信越統括の山中修氏による主催者挨拶や、石川県漁協共同組合による来賓挨拶、テープカットが行われた。




