人機一体とタツタ電線は、電線工場における重量ドラムの運搬やハンドリング機能を備えた重量ドラム用全方向移動台車のPoC試作機「人機カート ver.3.0」を、2025国際ロボット展(iREX2025)において初公開する。
人機一体とタツタ電線は2022年1月に資本提携を実施。タツタ電線は工場内での電線ドラム運搬に関する安全リスクや作業者の身体的負担を解決するため、人機一体の知的財産活用サービス「人機プラットフォーム」の一つ「PF08 人機カート社会実装プラットフォーム」に実用化企業として参画し、共同開発を進めてきた。
2023年3月にはタツタ電線大阪工場で最初の試作機「人機カート ver.1.0」による電線ドラムの搬送デモンストレーションを実施。しかし装置自体の大型化など実用面での課題が顕在化したため、構想・設計のみの試作機「ver.2.0」を経て、今般「ver.3.0」を開発した。
ver.3.0は、狭小空間での重量ドラムの自在なハンドリングをコンセプトに、人機一体が日本精工株式会社(NSK)と共同開発した「アクティブキャスタPalGo 高荷重タイプ」を実装。前後・左右・斜め移動、旋回などの全方向移動を実現した。
本体内側に重量物を積載する構造を採用したため、フォークリフトのようなカウンターウエイトを必要とせず、本体重量約740kgを上回る可搬重量1000kgを実現している。ゲームパッドによる遠隔操作に対応する。
人機カート ver.3.0 タツタ電線従業員による操作体験の様子
2025年10月には、タツタ電線大阪工場で電線ドラムを把持し、狭小空間を模したコースを走行するデモンストレーションを実施した。
iREX2025の人機一体ブースでは、人機カート ver.3.0による電線ドラム運搬作業の実演および解説を実施する。展示を通じて、電線ドラムをはじめとした各種重量ドラムやロールの運搬を行なう業界への横展開を目指し、人機カートの製品化を担うメーカーを探索し、連携を進めていく。
2025国際ロボット展は、12月3日から6日まで東京ビッグサイトで開催される。主催は一般社団法人日本ロボット工業会と日刊工業新聞社。
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