人機一体と竹中土木、鋼製ブラケット取付ロボットの実証試作機を2025国際ロボット展で初公開予定

人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0
人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0全 9 枚

人機一体竹中土木は、橋梁耐震補強用鋼製ブラケット取付ロボットの実証試作機「人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0」を、12月3日から6日まで東京ビッグサイトで開催される2025国際ロボット展(iREX2025)に出展する。

【画像全9枚】

両社は2022年12月に資本提携を実施し、土木現場でのロボット適用に向けて共同開発を進めてきた。今回の出展は、2023国際ロボット展でのソリューション提示から2年間の開発成果を公開するもので、ラフテレーンクレーンに搭載した実用システム全体としては初の公開となる。

橋梁の耐震補強工事では、桁下に鋼製ブラケットなどの重量物を取り付ける際、クレーンで持ち上げられる高さに限界があり、チェーンブロックで吊り上げてボルト位置に合わせて微調整する作業を手作業で行う必要があった。高所作業車上での人力作業のため、安全性の確保や作業効率の向上が長年の課題だった。

今回開発した人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0は、「ナット仮締結システム(ロボットアーム)」「ブラケット把持システム」「スチュワートプラットフォーム」から構成される。クレーンなどの揚重機械のブーム先端に専用機械を用いてスチュワートプラットフォームを施工箇所まで接近させ、遠隔操作することでブラケットの位置・姿勢を自由自在に調整できる。

iREX2023 での人機 GSP ver.1.3 における鋼製ブラケット取付作業デモンストレーションiREX2023 での人機 GSP ver.1.3 における鋼製ブラケット取付作業デモンストレーション

ナット仮締結システムには、バワー増幅バイラテラル制御による遠隔操作・力制御対応の7自由度ロボットアームを搭載。先端の7軸目の無限回転を使用してブラケット取付後のナット仮締結を行う。

ブラケット把持システムは、電磁石によりブラケットの吸着把持と取付後の解除を遠隔操作で行うシステムを搭載。幅と奥行を任意に調整できる機構を採用し、多様な形状のブラケットにも対応できる。

スチュワートプラットフォームは、天板を支える6本のシリンダが相互に連携することで天板の三次元空間上での位置・姿勢を自在に制御できるロボット。複数のシリンダで一つの天板を支えるシンプルな構造で、高出力かつ高精度な動きを実現する。力と精度が同時に求められる重量物のハンドリングに適している。

クレーンなどの揚重機械と組み合わせれば、スチュワートプラットフォームの弱点である可動範囲の狭さも解消され、汎用高所作業にも対応。建築・土木分野において、これまでは「吊り下げる」しかなかった重量物のハンドリングに、新たな「下から持ち上げる」ソリューションを提供する。

従来工法ではブラケット一つあたり約120分要していたところを、スチュワートプラットフォームを用いる新工法により約30分まで削減することを見込んでいる。

予備試験予備試験

2025年10月のハイウェイテクノフェア2025では、竹中土木ブースにて「建設用スチュワートプラットフォーム」としてスチュワートプラットフォーム部分を初公開した。現在は、ラフテレーンクレーンに搭載しての設置高約7mの場所への鋼製ブラケット取付作業の予備試験を進めている。

両社は2026年中を目標に、鋼製ブラケット取付作業の実現場での実証試験を目指して開発を進めている。その後は、現場への社会実装へ向けて製品化企業の探索と連携を進めていく方針だ。

国際ロボット展の人機一体ブースでは、人機スチュワートプラットフォーム ver.2.0をタダノ製ラフテレーンクレーンのブームに搭載し、高所での鋼製ブラケット取付作業の実演および解説を実施する。


ヒューマノイド最前線】ロボスタがウェビナー新企画開始 12月から毎月開催
https://response.jp/article/2025/11/27/403988.html

《高木啓》

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