グーグル「ウェイモ」、米国5都市で無人運転導入へ…重傷事故は人間の運転の11分の1

ウェイモの第5世代の自動運転システムを搭載するジャガーI-PACE
ウェイモの第5世代の自動運転システムを搭載するジャガーI-PACE全 1 枚

グーグル傘下のウェイモ(Waymo)は、米国マイアミ、ダラス、ヒューストン、サンアントニオ、オーランドの5都市で完全自動運転サービスを導入すると発表した。

マイアミでは既に運用を開始しており、残る4都市でも今後数週間以内に開始する。一般向けのライドシェアサービスは2025年内に開始する予定だ。

ウェイモは、かつては技術的な偉業とされた無人運転が、同社にとっては日常的なものになったと説明している。同社は汎用性の高いドライバーシステムを構築し、安全性を実証したAI技術と運用ノウハウを確立。安全性とコミュニティを最優先するアプローチにより、これまで以上に迅速にサービスを展開できるようになったという。

新都市への展開にあたり、ウェイモは一貫したアプローチを採用している。まず実証済みのベースラインと運転性能を比較し、ウェイモドライバーの性能を検証するとともに、地域特有の特性を特定する。必要に応じてAIを調整し、地域特有の状況に対応できるようにする。ただし、都市を重ねるごとにこうした調整は少なくなっているという。

このデータは継続的な改善のサイクルに組み込まれ、実際の路上走行と高度なシミュレーションによる厳格な検証を経て、定期的なソフトウェア更新として実装される。その結果、すべての利用者が一貫した高品質のサービスと最高水準の安全性を体験できるとしている。

ウェイモドライバーは、サービスを提供する都市で道路の安全性を向上させていることがデータで実証されている。人間の運転と比較して、重傷を伴う衝突事故への関与が11分の1になっているという。

ウェイモは技術開発だけでなく、数十の拠点で自動運転車両を運用するための決定的なノウハウと、業界をリードするエンドツーエンドの利用者サポート体制を構築してきた。さらに、パートナー企業に大規模な自動運転車両の運用方法を教えることで、新たな経済機会を創出しながら、より多くの人々にウェイモの安全性の恩恵をもたらしているという。

規模の拡大を成功させるには、世界クラスの技術と運用だけでなく、サービスを提供する人々の信頼を得ることが必要だとウェイモは強調する。同社は政策立案者、規制当局、安全当局、地域パートナーとの対話を重視し、技術の仕組みとコミュニティにもたらす利益について理解を深めてもらう取り組みを続けている。地域の関係者や住民と継続的かつ建設的な対話を行い、積極的に耳を傾け、学び、交通ニーズに応えることを目指している。

ウェイモは、継続的な改良、検証、地域との連携という厳格なプロセスを通じて、拡大にあたってコミュニティを最優先することを約束している。この取り組みにより、安全で信頼性が高く、魔法のようなライドシェア体験を世界中のより多くの利用者に提供していく、としている。

《森脇稔》

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