日本導入の『PV5』も生産、キアの韓国新工場が完成…年産25万台の「PBV」専用拠点に

キアの「PBV」専用の生産施設の韓国「華城EVOプラント東棟」
キアの「PBV」専用の生産施設の韓国「華城EVOプラント東棟」全 9 枚

ヒョンデ傘下のキアは、次世代モビリティ「PBV(Platform Beyond Vehicle)」専用の生産施設「華城EVOプラント東棟」が完成したと発表した。

【画像】キアPV5

キアは約29万6882平方メートルの敷地を確保し、インフラと研究開発に約4兆ウォンを投資。2027年に稼働予定の西棟と合わせて、年間25万台のPBV生産能力を確立し、グローバル展開の戦略拠点とする計画だ。

「EVOプラント」という名称は「Evolution(進化)」と「Plant(工場)」を組み合わせたもので、キアの革新への取り組みと新しいモビリティ環境をリードするブランドになるという意欲を反映している。

華城EVOプラントは、幅広い未来志向の製造技術を採用し、カーボンフットプリントを最小限に抑える設計となっている。自動化、持続可能性、人間中心の環境を重視し、各工程にこれらの優先事項を反映した機能を統合している。

EVOプラントには、ヒョンデとキアのスマートファクトリーブランド「E-FOREST」を適用し、リアルタイムでの運用と品質管理を可能にする。

ボディショップでは、無人搬送車(AGV)などの先進技術を統合したスマート物流システムを導入。塗装工場では規制物質の影響を低減するドライブースを運用している。

最終組立工場では、先進的な自動化技術に基づいた人間中心の環境を構築。仕様ガイダンスモニターによる作業ミス防止、重量部品取り付けなど労働集約的なプロセスの自動化、低騒音設備の導入などにより、人間中心の環境づくりに貢献している。

さらに、キアの量産コンベアシステムとセルベース生産プロセスを組み合わせた柔軟な生産プロセスを採用し、異なるモビリティタイプの同時製造を可能にしている。

新たに完成したEVOプラント東棟は、9万8433平方メートルの敷地に建設されたPBV専用施設で、キアの中型PBV『PV5』の年間生産能力は10万台。パッセンジャー、カーゴ、シャシーキャブ、車椅子対応車両(WAV)モデルを生産する。

EVOプラント西棟は13万6671平方メートルの敷地に建設され、『PV7』を含む大型PBVモデルの年間生産能力15万台を確保する。両工場が完全稼働すれば、キアは年間25万台の生産能力を持つ完全なPBVラインナップを確立することになる。

キアはまた、戦略的パートナーと協力して専用PBVコンバージョンセンターを立ち上げ、特殊PBVモデルを開発する。6万3728平方メートルの敷地に建設されるコンバージョンセンターでは、キア初のPBVモデルであるPV5をベースに、オープンベッドトラック、ボックスバン、キャンピングカーなど幅広いカスタマイズモデルを生産する。

センターはPV7などの今後のPBVをベースにした追加コンバージョンモデルの開発・生産も行う。パートナー企業との緊密な協力を通じて持続可能なPBVエコシステムを育成しながら、キアのPBV事業拡大の戦略拠点として機能する。

キアはまた、オートランド華城内に50MWの太陽光発電施設に投資することで、RE100イニシアチブを加速する計画だ。

EVOプラント東棟、西棟、コンバージョンセンターが完全稼働すれば、キアはPBVラインナップ全体を生産できる包括的なPBVハブを確立することになる。PBVセクターで優位な地位を確立するため、キアは製品、製造、ソリューション、サービス、チャネルの5つの重点分野に戦略的に注力している。

グローバルEVリーダーシップを強化し、これらの柱全体でPBV事業を拡大することで、キアは持続可能なモビリティソリューションプロバイダーになるというブランドビジョンに沿って、世界中の顧客の進化するニーズに応える持続可能で革新的なソリューションを提供することに取り組んでいる。

《森脇稔》

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