深刻化するドライバー不足に挑む、いすゞが大型トラック・バスで「自動運転レベル4」実装を加速

いすゞの「自動運転レベル4」トラック
いすゞの「自動運転レベル4」トラック全 6 枚

人手不足が続いて久しい国内産業。とりわけ物流業は我々の生活を根幹から支える分野であり、持続的な経済発展とも密接な関係がある。ゆえに停滞させてはならないが、物流業では今、就労者の数が不足し、さらに専門技能をもった人材も不足している。

大型トラックやトレーラーの運転には大型免許や牽引免許が必要で、しかも運転操作そのものも乗用車とは異なる難しさがある。しかも単に免許を保有し、運転できれば良いわけではない。荷主の大切な荷物を時間通りに運ぶという専門技能が求められる。

同時に物流業ではドライバーの高齢化も進む。加えて肉体的にきつく、運転業務をはじめ精神的な疲労度合いも高いが、給与水準は決して高くない。

こうした人材不足は有効求人倍率にも現れている。大型車の運転に必要な第一種大型免許保有者数は2010年の449万人に対して2024年では399万人と50万人も減少した。

これが公共交通機関や観光業の要である大型バスなどに必要な大型二種免許保有者となればさらに少ない。地方だけでなく都市部でも路線バスの減便がニュースになっているが、要因のひとつはドライバー不足だ。

◆「レベル4」大型トラックとバスを早期実装へ

いすゞ自動車(以下、いすゞ)では、こうした社会課題に対するひとつの解として、大型トラックと大型路線バスに「自動運転レベル4」(限定領域でのドライバーを介さない自動運転)の自動運転技術を早期に実装する方針を打ち出した。

実装に向けた初の活動は2022年3月から4月にかけて行われた、福岡空港ターミナル間の連絡バスの自動化だ。ここでは走行経路内の閉鎖空間で大型自動運転バスの共同実証実験が行われた。

この実証実験は、西日本鉄道株式会社、三菱商事株式会社がパートナーとなった。運用形態はドライバーが運転席に座った状態で、運転操作をシステムがサポートする高度運転支援技術「自動運転レベル2」の段階だ。

続く2022年8月から10月にかけては、UDトラックスと神戸製鋼所をパートナーに、神戸製鋼所の加古川製鉄所で自動運転レベル4の大型トラックによる自動搬送技術の実証実験を行った。

こうした実証実験を経て有用性と将来性を確認したいすゞは、2024年4月、いすゞグループの中期経営計画「ISUZU Transformation - Growth to 2030」(以下、IX)において、自動運転技術の確立と事業化を掲げた。

このIXでは具体的に、自動運転レベル4の自動運転技術を搭載した大型トラックと大型路線バスの事業化を2027年度(2028年3月末まで)に開始を目指すことが示された。さらにこの実現のため、2023年末より自動運転の先進技術を有する国内外パートナー4社との協業を行っていることも公にされた。


《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。

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