東京・浜松町「はまバス」試験運行が好評、満足度82.9%…2027年3月の本格運用めざす

「はまバス」の試験運行
「はまバス」の試験運行全 1 枚

世界貿易センタービルディングと浜松町芝大門エリアマネジメントは12月16日、浜松町エリアの回遊性向上と地域活性化を目的に実施した無料循環バス「(仮称)はまバス」の試験運行結果を発表した。

試験運行では、総乗車人数約1700名、アンケート回答数約900件を記録し、エリアにおける移動ニーズの大きさと本取組への高い関心が明らかになった。

利用者アンケートでは、サービス満足度82.9%、本格運行への利用意向95.8%と、概ね高い評価を得た。利用目的としては、「観光・飲食・買物」といったレジャー利用が全体の約8割を占めており、浜松町駅・東京タワー・ホテル群を結ぶルートが、地域内の回遊を促す新たな移動手段として機能していることが確認された。

アンケート結果からは、30代から60代を中心とした幅広い年代の方に利用され、浜松町・芝大門エリア在住者や近隣就業者が約半数、残る半数は観光客や来街者であるなど、多様な利用者ニーズに応えうるサービスであることが確認された。

認知経路では「偶然通りかかった」「ポスター・チラシを見た」といった街中での接触をきっかけとする回答が多く、乗車理由についても「無料だった」「便利そうだった」「偶然見つけた」といった声が上位を占めた。これらの結果から、バス車体や停留所、案内物といった街中で自然に目に触れる要素そのものが、来街者の行動を喚起する有効な情報接点として機能していたことがうかがえる。

自由記述欄には、全回答者数の半数近い約400件ものコメントが寄せられ、特に地域住民を中心とした利用者から、本取組に対する高い関心と期待の声が多く見られた。

実際に、「本格運行が楽しみ」「バス内に映像があるのが良い。おすすめの場所やお店の紹介があると利用したい」「継続してもらえる助かる」といった、継続運行を期待する声が数多く見られた。

さらに、「子ども連れにはありがたい。停留場と運行頻度が増えると、いろいろな場所に行きやすくなる」「反対回りのルートもあると便利」「田町方面まで運行を広げてほしい」など、移動のしやすさや利便性の向上に対する具体的な要望も多く寄せられ、無料循環バスに対する期待の広がりがうかがえる。

一方で、今回の試験運行を通じて、今後の本格運行に向けた改善点も明確になった。

案内・視認性の面では、「乗り場が分かりにくい」「看板が小さい」といった意見が寄せられた。今後は、停留所サインや案内表示をより分かりやすくすることで、初めての方でも利用しやすい環境づくりを進めていく。

また、土日祝日を中心に利用が集中したことから、時間帯や曜日ごとの需要を踏まえた運行体制の検討が必要であることが分かった。利用者から寄せられた声を受け止めつつ、効率性と安全性の両立を図りながら、より使いやすい運行形態を検討していく。

さらに、車内で放映した映像コンテンツについては、「字幕があると理解しやすい」「観光情報や周辺案内も知りたい」といった意見が寄せられた。今後は、音声・映像ガイドの改善や情報発信内容の充実を図り、乗車中の体験価値向上につなげていく。

本試験運行を通じて、浜松町エリアにおける移動ニーズの高さと、無料循環バスが地域の回遊性向上に貢献しうる可能性が確認できた。意見を一つ一つ踏まえながら、地域にとってより良い移動環境づくりに向け、引き続き検討を進めていく。

両者では、浜松町エリアの魅力向上および滞在価値の向上に資する取り組みを、地域の皆さまや企業・団体の皆さまとともに進めている。

浜松町は、東京タワーや増上寺、旧芝離宮恩賜庭園など、歴史・文化・海が共存するまちである。近年では、竹芝・芝浦エリアの再開発や企業移転が進み、国際色豊かなビジネス・観光拠点として発展している。一方で、各施設が点在していることから、観光やビジネスにおける動線が分散し、地域内の移動利便性の向上が課題となっていた。

こうした背景のもと、1964年の創業以来、浜松町の玄関口として地域とともに歩んできた世界貿易センタービルディングは、地元企業・自治体・住民と連携し、「ひととまちをつなぐ」新たな移動体験として、無料循環バス「(仮称)はまバス」の実証を行った。

今後も、試走やアンケート等を通じた検証を重ねながら、2027年3月の本格運用に向けて、「ひととまちをつなぐ、乗って・見て楽しめる循環バス」としての実現を目指していく。

試験運行は、JR浜松町駅北口・旧芝離宮恩賜庭園前から東京プリンスホテル、東京タワー、フェアモント東京、ホテル インターコンチネンタル 東京ベイを循環するルートで、8時30分から19時まで14日間実施された。運行は日の丸自動車興業が担当し、利用料金は無料だった。

《森脇稔》

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