9月のIAAモビリティ2025において、新世代の商品哲学「ノイエクラッセ」第一弾となる『iX3』を初公開したBMWは、現在その高性能モデル「iX3 M」を開発中だ。売れ行きの悪かった初代iX3は、第2世代でピュア「M」を投入し、逆襲が始まる。
独ニュルブルクリンクに出現したプロトタイプは、市販型のヘッドライトとテールライトを装着した状態で目撃されたが、『ビジョン・ノイエクラッセX』コンセプトから多くのヒントを得ている。
量産モデルでは、コンセプトカーのややワイルドなスタイリングを控えざるを得なかっいっぽうで、iX3とX3の差別化を図るために、コンセプトカーの基本的なデザイン要素は維持している。例えば、iX3新型の細く垂直に伸びたキドニーグリルは、X3から際立つ相違点だ。
iX3新型プロトタイプは、航続距離を最大限に伸ばすためか、空力性能を重視したアルミホイールを装着している。フロントのブルーに塗装されたブレーキキャリパーは、この電気SUVのMパフォーマンスバージョンを示唆している。
BMW iX3 M のプロトタイプ
また、ボンネットの隆起の内部は、空力的な通路か冷却ダクトのいずれかとして機能すると推測される。もしそうであれば、iX3標準仕様にはフロントトランクが備わっているので、その収納スペースの一部を、M専用のパワーエレクトロニクスや冷却装置に割り当てていそうだ。
現在、X3は、ハンガリーのデブレツェン工場で2025年7月頃から生産されている。初代iX3は、航続が極端に短いこと、xDriveオプションの欠如、そして原産国の問題により、米国では販売されなかった。初代X3は、中国国内で、BMWとブリリアンス・オート・グループとの合弁会社によって生産されていた。
BMW iX3 M のプロトタイプ欧州向けの第2世代iX3は4つのバリエーションが展開される。後輪駆動の「40」から始まり、「40 xDrive」、「50 xDrive」、「M60 xDrive」で構成される。北米向けの生産は、サンルイス・ポトシ工場で2026年後半に開始される予定で、2027年モデルとして販売される可能性がある。
BMWは、ピュアM電気自動車が、「ハート・オブ・ジョイ」と呼ばれる電子制御ユニットによって制御される、4つのモーターを搭載することをすでに発表している。理論上、このアーキテクチャは最大1341psを発揮できるが、さすがに、iX3 Mとその兄弟車である『i3 M』はそこまでのパワーを発揮しないと見られる。それでも700~800psは期待していいだろう。
iX3 Mのデビューは2027年以降と予想される。




