プロロジスは、岩手県金ケ崎町において、マルチテナント型物流施設「プロロジスパーク北上金ケ崎」の竣工式を執り行ったと発表した。既に75%の面積において賃貸契約を締結済みで、引き続き入居企業を募集している。
竣工式には、岩手県関係者、金ケ崎町の高橋寛寿町長をはじめ町関係者、設計を担当する川田工業、施工を担当する川田工業・平野組・丸井重機建設特定建設工事共同企業体を代表し川田忠裕代表取締役社長をはじめ関係者、プロロジスからは山田御酒らが参列し、施設の完成を祝った。
「プロロジスパーク北上金ケ崎」は、東北を縦断する東北自動車道「北上金ヶ崎IC」隣接地に開発された。同地域は南北に物流の大動脈である東北自動車道や国道4号、東西に秋田自動車道や釜石自動車道が交わる地点に位置している。
東北各地域へアクセスしやすく、盛岡市へ約60分、仙台市へ約90分、秋田市へ約120分で到達できる東北広域配送の好立地だ。また、東北新幹線「北上駅」から車で約15分(約10km)、東北本線「金ケ崎駅」から約10分(約6km)とアクセスしやすく、雇用にも有利な立地となっている。
トラックドライバーの時間外労働規制が強化される「2024年問題」への対応として、東北全域にアクセスしやすい同地域への注目が高まっている。さらに、災害等におけるBCP(事業継続計画)の観点からも拠点の分散化の必要性が見直されており、同施設は仙台に次ぐ新たな物流拠点として期待が寄せられている。このような背景から、「プロロジスパーク北上金ケ崎」は既に賃貸面積の約75%において賃貸契約を締結済みだ。
隣接地にはBTS型物流施設(特定企業専用物流施設)「プロロジスパーク北上金ケ崎2」の開発が決まっている。規模や階数、棟数などの施設設計は、入居企業の要望に合わせて行う予定だ。保管場所の需要が急増している化粧品やアルコール類などの保管も可能なHAZMAT(危険物倉庫)や、冷凍冷蔵倉庫の整備、製造業への対応として耐荷重の増強なども柔軟に対応する。
「プロロジスパーク北上金ケ崎」は、約7万8500平米の敷地に地上2階建て、延床面積約5万5000平米のマルチテナント型物流施設として開発された。両フロアとも有効天井高は約5.5m、床荷重は1平米当たり1.5tを確保した、汎用性の高い大型物流施設となっている。
降雪時にも安全で効率的なオペレーションを確保するために、施設側で除雪サービスを提供し、施設の雨どいには融雪ヒーターを整備。雪置き場は、外構スペースの利用を妨げない位置に設置する。
全長約280mという施設の特性に合わせ、1階それぞれの専有部の事務所横にラウンジと給湯スペースを配置した。入居企業スタッフの移動負担を避けるべく、共用ラウンジはあえて設けず、来客対応や休憩に適した環境を各区画内で完結できるよう整えた。
セキュリティ面では、常時有人警備を実施して、24時間365日の入居企業の事業継続をサポートする。
現在の募集区画は4000坪で、1500坪と2500坪に分割しての対応も可能。現在の荷物用エレベーター2基に加え、垂直搬送機の追加もできる。
サステナビリティの取り組みとして、金ケ崎町の特産品であるアスパラガスや、青汁の原料野菜として知られるケールの廃棄物をアップサイクルしたアートワークを施設内に採用した。
プロロジスは、アスパラガスが市場に出荷される過程で、通常、茎の部分が廃棄されることに着目した。JA岩手ふるさとに集まっていた計772.5kgの処分予定部分を「プロロジスパーク北上金ケ崎」に保管し、アート作品へと生まれ変わらせた。ケールは他県産のもので計500kgを再利用した。
完成したアートワークのデザインは、円を組み合わせた「七宝柄」の中でも不規則に連なる「破れ七宝」を基調とし、カスタマー一人ひとりに臨機応変に寄り添うプロロジスの姿勢を表現。色彩は、プロロジスのロゴカラーをモチーフにし、直線を用いた図形は物流で扱われる段ボールや、スマートなイノベーションの創出を想起させる。
見る人によって多様に解釈できるこのデザインは、プロロジスの柔軟性と多様性を象徴しており、「プロロジスパーク北上金ケ崎」のラウンジスペースのほか、外壁部分に採用されている。
プロロジスは、東北自動車道沿線のIC近接地に戦略的に拠点を取得し、「物流2024年問題」への対応として広域配送ネットワークをいち早く構築してきた。
東北地方ではこれまでに13棟の物流施設を開発し、現在は岩手県矢巾町や仙台市において「プロロジスパーク北上金ケ崎」を含む6棟の物流施設を開発・運営中だ。また、福島県郡山市の物流拠点集積パーク「福島郡山LLタウン」内に「プロロジスパーク郡山2」を、仙台市において「プロロジスパーク仙台泉3」を、岩手県金ケ崎町において「プロロジスパーク北上金ケ崎2」の開発を計画しており、入居企業を募集している。




