パナソニック オートモーティブシステムズは12月22日、オープンソースライセンスのコンプライアンスに関する国際標準「ISO/IEC 5230(OpenChain)」への適合を達成したと発表した。
ISO/IEC 5230は、オープンソースソフトウェア(以下OSS)のライセンス遵守を確保するための国際規格。米国の非営利団体Linux Foundationが主導するOpenChain Projectによって策定され国際標準となった、OSSの利用における信頼性と透明性を確保するための管理手法を定義している。
PASは長年にわたり、OSSの活用とコンプライアンス管理を推進してきた。OSSのさらなる普及に伴い、サプライチェーン全体でコンプライアンス管理の強化が求められるなか、PASは2025年4月に社内にオープンソースプログラムオフィス(OSPO)を組織化し、OSS活用時のコンプライアンス遵守徹底と開発者の支援、およびOSSコミュニティへの貢献活動を強化している。さらに本認証取得の過程では、OSS活用のプロセスを体系化し、高い安全性を備えた管理体制を構築することにより、PASのOSS活用やPAS製品への信頼性向上に努めてきた。
自動車のSoftware Defined Vehicle(以下SDV)化にともない、開発はソフトウェア中心へとシフトし、ソフトウェア開発はより複雑化している。それに伴い、業界全体でOSS活用の重要性は高まり、OSSを活用することで開発期間の短縮や開発費の削減を図ることが必至となっている。
これまでPASは、VirtIOの標準化やOSS化に取り組み、さらにVirtIOベースのディスプレイ仮想化技術「Unified HMI」をオープンソースとして提供するなど、オープンソース仮想化技術であるVirtIOの業界普及に貢献してきた。加えて、VirtIOに準拠するリファレンスCockpit Domain Controller(以下CDC)プラットフォーム「SkipGen」や、仮想CDC開発環境「Virtual SkipGen」などのソリューションを提供し、標準化した仕様やオープンソースを実際に車載へ適用可能にすることで、自動車業界のSDV化に求められる共通基盤の進化をリードしている。
今回の認証取得を契機に、PASはOSSを活用した高品質で信頼性の高いソリューションを継続的に提供することで、車載業界におけるオープンソース・エコシステムの拡大と持続的な発展に寄与していく。




