トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、愛知県豊田市と共同で「交通安全フォーラム"安全安心に、生きる。地域と取り組むジコゼロ大作戦"」を開催したと発表した。
本フォーラムは、交通事故死傷者ゼロに向けた議論と仲間づくりの場「タテシナ会議」分科会活動の一環として実施された。一人ひとりが自分自身や大切な人の命を守るための交通安全の大切さについて改めて考える機会として、様々な立場からの思いの共有や、特に自転車の交通反則通告制度(青切符)が導入されることを踏まえた自転車利用ルールの周知、自転車事故削減に向けた啓発活動の展示等を実施した。
特別講演では、愛媛県松山市在住の渡邉明弘氏が登壇。2014年に自転車運転中の子息を亡くした遺族の立場から、ヘルメット着用の大切さについて語った。子息は信号のない横断歩道を自転車で渡っている際、交差点に進入した車両に気をとられたトラック運転手に命を奪われた。渡邉氏は「愛知県の信号のない横断歩道での自動車の停止率が大きく下がっている傾向に危機感を持っている。自転車に乗る時はヘルメットを必ず着用して、命を守ってほしい」と訴えた。
続いて、石川県金沢市在住の三國成子氏が、住民と行政との協働による交通安全の実践を紹介。ヨーロッパ訪問により、人が目的に応じて交通手段を選択できるためには、安全に利用しやすい交通環境と弱者を保護するルールが基本であることを知ったという。金沢市における住民参加型の自転車・歩行者安全マップ作成と行政との意見交換を通じて、視界を妨げる歩道橋の撤去や自転車走行指導帯、路面標示の設置等を実現し、自転車事故を大幅に減少できたと報告した。
タテシナ会議分科会からは、交通事故死傷者ゼロに向けた技術とデータを活用した最新の取り組みおよび自転車事故削減に向けた取り組みを紹介。豊田市は、市の施設・啓発の交通安全施策、高岡支所や猿投支所における住民発意型の交通安全に関する地域課題解決事業の紹介・展示等を行った。トヨタ自動車も、市と協力して進める自転車のヘルメット着用等に関する啓発を実施した。
フォーラムは豊田商工会議所2F多目的ホールで13時00分から16時00分まで開催され、講演・発表のほか、豊田市の交通安全の取り組みや自転車ルール、官民連携でのヘルメット着用促進、地域課題解決事業などの展示も行われた。




