冬季は、積雪や路面凍結によるスリップ事故が多発する。警察庁や国土交通省などでは、凍結路面での運転について、通常時とは異なる注意を呼びかけている。
また気象情報サービスを展開するウェザーニュースは12月25日、会員向けサービス「ウェザーニュースPro(プロ)」で「路面凍結予報」の提供を開始したと発表した。
◆凍結路面での「走り方」
●急のつく操作を避ける
警察庁は、雪道や凍結路面では急発進・急加速・急ブレーキ・急ハンドルを避けることが重要だとしている。タイヤが路面をとらえにくく、わずかな操作でもスリップにつながるためだ。特にブレーキ操作では、強く一気に踏み込まず、早めに減速し、じわりと踏むことが求められる。
●速度を落とし、車間距離を十分に取る
凍結路面では制動距離が大きく伸びる。警察庁は、通常時よりも大幅に速度を落とし、車間距離を十分に確保するよう注意を促している。前車の動きに余裕をもって対応できるよう、早めの判断が不可欠だ。
スタッドレスタイヤの例
●冬用タイヤ・チェーンの装着
また国交省は、積雪や凍結のおそれがある道路では、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなど滑り止め装置の装着が必要としている。区間によっては冬用タイヤ規制が実施され、未装着での走行が通行違反となる場合もある。
●凍結しやすい場所を意識する
国交省は、次のような場所は特に凍結しやすいと注意喚起している。
橋や高架道路
トンネルの出入り口
日陰区間
交差点や坂道
こういった場所では、見た目に雪がなくても、慎重な操作が求められる。
路面凍結注意◆ウェザーニュースProで「路面凍結予報」提供開始
気象情報サービスを展開するウェザーニュースは、会員向けサービス「ウェザーニュースPro」で「路面凍結予報」の提供を開始した。これにより、天候や気温、湿度などの気象データを基に、冬季の道路状況を予測し、利用者が凍結リスクを事前に把握できる仕組みが提供される。まずはスマートフォンやPCのアプリなどで利用可能となる。
●路面凍結状況を「4ランク」で判定
新たな「路面凍結予報」機能では、路面状況を「アイスバーン」「デコボコ凍結」「シャーベット」「積雪」の4ランクで判定する。これは降水、気温、湿度、風速といった気象要素に加え、過去のユーザー報告などのデータも独自アルゴリズムで解析した結果を反映したものだ。これにより、時間帯ごとの凍結リスクの高低が視覚的に把握できる。
路面凍結予報:広域のリスクを網羅的に確認●日々の運転リスク低減に活用可能
同機能は通勤・帰宅・旅行など、日常の走行ルート上の路面状態を事前に確認したい利用者が対象である。地図上やリスト形式で時間帯ごとの路面状態が表示されるため、出発前の安全判断や運転計画の策定に役立つとしている。特に冬季は夜間や早朝の冷え込みによる路面凍結が発生しやすく、ブラックアイスバーンなど視認が困難な凍結状態への注意喚起として期待される。
●Pro会員向けサービスとして提供
「路面凍結予報」は「ウェザーニュースPro」会員向けの機能の一つとなる。Proサービスは高度で専門的な気象情報コンテンツを提供する有料会員向けサービスで、スマートフォンアプリやPCブラウザで利用可能だ。会員登録により、雨雲レーダーや台風情報、各種警戒情報といった専門気象データと併せて路面凍結リスクの予報が確認できるようになる。
ユーザーから寄せられた路面凍結の報告◆ブラックアイスバーンの見分け方
●ブラックアイスバーンとは
ブラックアイスバーンは、薄く透明な氷が路面を覆い、見た目が濡れたアスファルトのように見える凍結状態を指す。通常の凍結路面より視認しにくく、突然スリップする危険がある。JAFは「見た目では判断しにくい最も危険な凍結路面の一つ」として注意を呼びかけている。
●見た目の特徴
ブラックアイスバーンには、次のような特徴がある。
路面が黒く光って見える
濡れているように見えるが水しぶきが上がらない
周囲の路面と比べて不自然な光沢がある
ただし、視覚だけでの判別は難しく、過信は禁物である。
●発生しやすい条件
JAFなどの情報によると、ブラックアイスバーンは次の条件で発生しやすい。
夜間から早朝にかけての冷え込み
雨や雪が解けた後の気温低下
橋の上や日陰部分
交通量の少ない道路
特に気温が0度前後で推移する時間帯は注意が必要だ。
●運転中の異変にも注意
ブラックアイスバーン上では、
ハンドル操作が軽く感じる
加速や減速時に違和感がある
といった兆候が現れることがある。その場合は、操作を最小限に抑え、速度を落とすことが重要だ。
◆まとめ
凍結路面での運転は、「速度を落とす」「操作を穏やかにする」「凍結しやすい場所を意識する」ことが基本となる。ブラックアイスバーンは見分けが難しいため、冬季は常に凍結を前提とした慎重な運転が求められる。




