新しい一年の始まりを、モーターサイクルで迎えてみてはどうだろうか。エンジンの鼓動とともに走り、水平線から昇る初日の出を目にする体験は、ツーリングならではの特別な達成感がある。
本記事では、走る楽しさと初日の出の観賞を両立できる全国のスポットをピックアップした。あわせて、元旦特有の混雑や路面凍結など、往復時に注意すべきポイントも整理している。安全を最優先にしながら、新年の走り初めと一年の無事を願う参考にしてほしい。
◆関東エリア
●犬吠埼(千葉県・銚子市)
初日の出時刻は午前6時46分ごろ。山頂・離島を除くと、日本で最も早く初日の出が見られるスポット。国道126号・356号でアクセスも良好だ。
★注意点 → 深夜~早朝は強風になりやすく、体感温度が低くなる。また元旦は歩行者が多く、灯台周辺は徐行必須だ。灯台周辺はバイクでも比較的停めやすい。無料で利用できる駐車場もあるが、例年、場所によっては大晦日の夜から満車になる。
犬吠埼
●九十九里浜(千葉県)
長い海岸線なので混雑を避けやすい。好きな場所でバイクと初日の出を絡めた写真が撮れる。海沿いを流すナイトツーリングも快適。初日の出時刻は飯岡海岸で午前6時47分ごろとなっている。
★注意点 → 海風+路面凍結(特に橋・日陰)に注意。砂が道路に出ている区間あり。
九十九里浜◆中部・甲信エリア
●伊豆半島・爪木崎(静岡県)
海に突き出した岬で日の出が美しい。初日の出の時刻は6時51分頃か。ワインディング好きライダー向け。伊豆スカイラインと組み合わせた走りも楽しそうだ。
★注意点 → 夜間は野生動物(鹿)の出没あり。元旦は駐車場に制限がかかることがある。
爪木崎●ビーナスライン(長野県)※条件付き
雲海+初日の出が見られれば絶景。走りの満足度は高いと評判だ。
★注意点(重要) → 積雪・凍結の可能性が非常に高い。冬季閉鎖区間もある。ツーリングに無理は禁物、天候次第で断念する判断が必要だ。
ビーナスライン◆関西エリア
●潮岬(和歌山県・本州最南端)
「本州最南端」という達成感。太平洋に開けた地形で日の出が早く、初日の出時刻は午前7時1分頃。水平線からの初日の出を見るのであれば、臨時駐車場を開設する「潮岬望楼の芝」での観覧がおすすめだ。橋杭岩付近での初日の出は水平線からは昇らない。
★注意点 → 夜間は街灯が少なく真っ暗という情報がある。風が非常に強い日もあるので注意。
潮岬◆九州エリア
●佐多岬(鹿児島県・本土最南端)
おすすめ理由 → 旅行者にとっては、南国らしい雰囲気の初日の出がユニーク。ツーリングの「目的地」としての達成感は、こちらも全国トップクラスだろう。初日の出時刻は午前7時15分頃。
★注意点 → 半島の先にあるので、走行距離が長く、体力配分が重要になる。夜間は路面状態が見えにくいかもしれない。例年、エントランス駐車場は12月31日24時00分頃には満車になるので、その後は第2駐車場から有料シャトルバスを使うことになる。
佐多岬◆初日の出ツーリング、共通の注意点(重要)
★路面凍結・ブラックアイスバーン → 橋、トンネル出口、日陰は特に危険。減速・直進・急操作しないが鉄則だ。
★防寒対策は「走行時間+待ち時間」基準 → 電熱ジャケット・グローブ推奨。風防がない車種は首元・足首を重点的に防寒しよう。
★混雑と駐車マナー → 有名スポットは歩行者優先で。路上駐車は絶対に避ける。Uターン時の立ちゴケに注意。
★往復を分けて考える → 行きは集中力が高いものの、帰りは疲労・眠気が強くなる。日の出後は無理せず休憩を入れよう。
★「引き返す勇気」を持つ → 風雪・凍結・体調不良時は撤退が正解。初日の出は翌年も昇るが、安全は一度失うと取り戻せない!




