自分流のスタイルで仕上げたヒロさんのスズキ『ジムニーシエラ』。ドアのデュアルミッドバス化やAピラー加工で高音質を追求し、サウンドエボリューション・ログオンの技術が光る。
◆ドアにはミッドバス×デュアル組みを実施
コクピットカスタムのショーアップポイントになる
唯一無二のジムニーシエラを作りたくて、外装、足まわりはもちろん、オーディオにも力を入れて独自カスタムを実施した。
ドアにはモレルのミッドバス(6インチ/8インチ)をデュアルでインストールし中低域の厚みと速さを両立させた。
ドアは各部が加工されているが純正ラインを巧みに生かしたデザインでインテリアへのマッチングも良好だ。ラゲッジスペースにハイエンドなユニット群を詰め込んだカスタムインストールを完成させた、ヒロさんのシエラ。オーディオはもちろん、外装や足まわりにも手が入り、内外装ともにフルカスタム仕様に仕上がっている。その中でもサウンド面を支えるのがフロントステージで、ユニット選びとインストールに注目したい。
最大の見どころはドアにデュアル・ミッドバスを組んだアウターバッフルだ。モレルのスプリーモ602の6インチミッドバスを中心に、同じくモレルの8インチユニットを加えたデュアル構造としている。
「中低域の厚みを出したいが、同時に速い中低域でバンバン鳴るサウンドを作りたかった」
というオーナーの意向が強く働いている。デュアル構造にすることで速さと厚みを両立させ、思い描いた中低域サウンドを引き出したのがオーナーのお気に入りポイントでもある。
ドアのデザイン面でも手の込んだカスタム処理が施される。大胆加工が施されたドアに、片側2発のミッドバスを違和感なくインストールしたスタイルはカスタム色も濃い。各ユニット周辺にはマルチカラーのイルミネーション処理が施され、ラゲッジまわりのカスタムインストールとの整合性もしっかり取っている。ドア下部の前半分はワンオフ加工されているものの、純正ラインとも美しくつなげて内装デザインにフィットさせた。2つのスピーカーユニットを内包する楕円形のバッフルもコクピットの象徴的なデザインとなっている。
◆デザイン面でもサウンド面でも要となる
Aピラーへのツイーター/ミッドレンジの取り付け
Aピラーのインストールやドアのアウターバッフルをはじめ、コクピットにも印象的なカスタム処理が随所に加えられた。
Aピラーにはモレルのツイーター・ピッコロII(スプリーモ602)とミッドレンジであるイレイト・カーボンMW3をビルトイン。
定位を明確に引き出すための角度付けを徹底する。ユニットが持つ中高域サウンドの透明感も存分に再現している。サウンドのもうひとつの要となっているのがAピラーへのツイーター/ミッドレンジのインストールだ。上部にはツイーターであるモレルのピッコロII(スプリーモ602)をインストールし、その直下には同じくモレルのミッドレンジであるイレイト・カーボンMW3をインストール。純正ピラーの形状を生かしつつ、2つのユニットを納めた造形がスマートだ。サウンド面ではリスナーへの角度付けを徹底して意識した取り付けが施され、ステージングの高さと定位感を高めたのも狙い通り。
スプリーモ602が本来持っている透明感と厚みのある中高域を再現したこの取り付けに、オーナーも「耳で感じる贅沢」だと実感している。コンパクトサイズのシエラでありながら高級大型車を思わせる音場と質感の高いサウンドを手に入れ、サイズを超えたスケール感もお気に入りのポイントになっている。
デザイン面ではAピラーの限られたスペースにツイーターと3.5インチミッドレンジを納めた巧みなデザイン性が美しい。しかもモレル独自のロータスグリルを前面に押し出すデザインであることも見どころで、ダッシュまわりの強烈なアイキャッチになっている。
◆ダイレクターの取り付けパネルの加工など
コクピットの随所に独自のカスタム処理を実施
シフトゲートの前方を見るとダイレクターがピタリと収まっているワンオフスペースが見える。周囲に馴染む美しいデザイン処理だ。
音楽プレイヤーにはDAPの他にもサイバーナビも搭載。普段使いのナビとしても活用する実用アイテムでもある。
ドアの上部を見ると段差部分が加工されイルミが埋め込まれているのがわかる。ドアを照らし出す間接照明が上質だ。
自分だけのシエラを作るためにサウンドの方向性やカスタムのテーマを独自に設定したヒロさん、そのため満足度も高いという。コクピットまわりにはいくつものカスタム処理が施されているのも見どころ。そのひとつがブラックスのダイレクターをセンターコンソールのシフトゲート前に埋め込み取り付けした処理だ。コンソールのラインを生かしつつ、ダイレクターをピタリと納めるスペースを作っているのも見事な造形。操作性と視認性、デザイン性のすべてに妥協のないクオリティの高い取り付けとなった。
またドアは先にも紹介した通りアウターバッフルの加工に注目が集まるが、実はドア上部にも加工が施されている。ドアハンドル上にある段差部分を加工し間接照明を埋め込んでいるのが、カスタム面でのドア加工の見どころだ。夜間になるとドア中央の凹部分をイルミネーションが淡く照らし出し、コクピットをショーアップする。
オーディオプレイヤーにはDAPをメインに、サイバーナビ(AVIC-CQ912IV-DC)を併用する。すべての音声データはブラックスのDSP「BLACK AKM DAC」へと送り込まれ、ボーカルの息づかいや楽器の響きをリアルに再現する繊細な音の質感を描き出す。
ジムニーシエラをオーディオのシステムアップをはじめ、内外装カスタムまでトータルで仕上げたヒロさん。自分好みのサウンドに加えて、カスタムスタイルでは90年代風のイメージを取り入れるなど独自の世界観を構築し、サウンドでもカスタムでも他にはない唯一無二の一台を完成させた。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

![ジムニーシエラを高音質化! デュアルミッドバス×Aピラー加工の効き方[Pro Shop インストール・レビュー]by サウンドエボリューション・ログオン 後編](/imgs/thumb_h2/2171429.jpg)


