ヤマハ整備士世界一決定戦、「WTGP 2025」7年ぶり日本で開催…英国とアルゼンチンが優勝

ヤマハの認定二輪整備士の世界一を決める「WORLD TECHNICIAN GRAND PRIX 2025(WTGP 2025)」
ヤマハの認定二輪整備士の世界一を決める「WORLD TECHNICIAN GRAND PRIX 2025(WTGP 2025)」全 5 枚

ヤマハの認定二輪整備士の世界一を決める「WORLD TECHNICIAN GRAND PRIX 2025(WTGP 2025)」が、7年ぶりに本社YTA(ヤマハモーターテクニカルアカデミー)グローバルトレーニングセンターで開催された。

【画像】ヤマハの認定二輪整備士の世界一を決める「WORLD TECHNICIAN GRAND PRIX 2025(WTGP 2025)」

世界3万5700人の認定整備士の中から、19の国と地域の予選大会を勝ち抜いた22名の代表選手が日本に集結し、整備技術とサービス力を競い合った。

WTGPは、ヤマハ独自の世界統一基準による整備士教育プログラムを修了した認定整備士が、一生に一度だけ挑戦できる世界大会。2002年から2年ごとに開催されてきたが、パンデミックの影響で2018年以降中断していた。

故障診断競技故障診断競技

今回は久々の開催となり、大会コピー「MASTER YOUR CRAFT, MAKE YOUR MARK/技を極め、名を刻め!」のもと、緊張感と熱気あふれる会場にて、選手全員が競技に挑んだ。

競技は「スポーツクラス」と「コミュータークラス」に分かれ、それぞれ「故障診断競技」と「お客さま対応競技」の2種目で実施された。

故障診断では、スポーツモデル『MT-07』、コミューターモデル『NMAX125』『AEROX155』を使い、80分間で故障を正確に診断・修理する。電子制御化が進むヤマハ車の診断ツール「YDT」の活用や、故障箇所の根拠説明など、高度な技術力が求められた。

お客様対応競技お客様対応競技

お客様対応競技は30分間で、点検・修理が完了した車両を引き取りに来店した顧客へ、わかりやすい説明やアドバイス、その際の接客マナーやコミュニケーション力も採点ポイントとなった。多言語での競技進行の中、細やかな質疑応答も行われ、世界大会ならではの多様性が光った。

今年はライブ配信も初導入。自動車業界初の英語・日本語による実況アナウンサーおよび解説者付きでの配信となった。また、選手の感情を可視化する「感情センシングアプリ」も活用し、臨場感あふれる大会となった。会場にはライブ配信用のカメラが各選手の競技ブースに設置され、アナウンサーによる実況および解説者による見どころなどのわかりやすい解説とともに、選手の心拍数など心の動きまでリアルタイムで視聴者に伝えられる新しい試みも実施された。

結果は、スポーツクラスはイギリスのリアム・コフィ選手、コミュータークラスはアルゼンチンのファン・クルス・ルナド・ロチャ選手が優勝した。

スポーツクラス受賞者スポーツクラス受賞者

スポーツクラス優勝のリアム・コフィ選手は「まだ実感が湧いていない。支えてくれた皆さんに心から感謝している。3回目の挑戦でヨーロッパチャンピオンになり、WTGPでもチャンピオンを獲得することができた。これからもヤマハのバイクを直せることが幸せ」と喜びを露わにした。

コミュータークラス優勝のファン・クルス・ルナド・ロチャ選手は「本当にうれしい。言葉にならない。この機会をくれたヤマハ発動機に感謝したい。今後は、若い整備士たちに伝えていく。努力して、集中して取り組めば、必ず『実現可能だ』ということを知って欲しい」としみじみと語った。

表彰式では設楽元文社長が「安心・安全なヤマハバイクライフには整備士の力が不可欠。経験を持ち帰り、ヤマハファン拡大に貢献してほしい」とコメントした。

WTGPは、単なる技術力だけでなく、顧客の安心・安全、楽しいバイクライフを支える「技」と「心」を競う舞台。ヤマハ認定整備士の誇りと情熱が世界中に発信された大会となった。今後もWTGPを通じて、整備士の地位向上や二輪業界の活性化、そして顧客満足度のさらなる向上を目指し、ヤマハ二輪業界のビジネスへの貢献に繋げていく。

《森脇稔》

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