CRI・ミドルウェアは、2026年1月6日に米国ラスベガスで開幕する世界最大級の技術展示会「CES 2026」に初めて出展し、超低発熱なGaN駆動フルデジタルアンプを初公開すると発表した。
同社は、スピーカーを制御しサウンド出力するミドルウェア「CRI D-Amp Driver」と窒化ガリウムパワー半導体(GaN半導体)を組み合わせた新方式の次世代フルデジタルアンプを展示する。また、車両接近装置などの警告音を制御するサウンド製品も紹介し、モビリティ市場をはじめとする世界の技術産業に、同社が磨いてきたサウンド製品を提案する。
今回出展する「CRI D-Amp Driver × GaN」は、独自の方式でスピーカーを直接駆動しサウンドを出力する「CRI D-Amp Driver」に、GaN半導体を組み合わせて構成するフルデジタルアンプだ。CRI D-Amp DriverとGaN半導体の双方が持つ特性を掛け合わせることで、低発熱、省電力、高音質という3つの特長を備えている。
ソフトウェアによって機能や価値が更新される次世代の自動車「SDV」では、自動運転の広がりとともに車内でのエンターテインメントの充実が期待されている。CRI D-Amp Driver × GaNはこれらの特長を生かし、車内で楽しむ音楽から、SDVでの映画やカラオケなどのエンターテインメントまで、クオリティの高い音を届け未来の移動体験を彩る。
CRI D-Amp Driverは、これまで組み込み製品やモビリティ向けに2000万ライセンス以上搭載されてきた。またGaN半導体は、優れた電力性能により近年のモバイルバッテリーやACアダプターなどの小型化と軽量化に貢献しており、この先も活用拡大が見込まれる新デバイスだ。
CRI D-Amp Driverの回路にGaN半導体を使用して生まれた前述の特長は、同社の技術力によるもの。人間の五感の中で、聴覚から受け取る情報は多岐にわたる。CRIはこのCRI D-Amp Driver × GaNをモビリティや音響製品各種に広げ、未来の生活を取り巻くサウンドを革新する。そして3年後にはCRI D-Amp Driverにて累計10億円の売り上げを目指す。
CRIはCES 2026のモビリティエリアに設置するブースに、CRI D-Amp Driver × GaNをはじめ、モビリティの車内外のサウンドを統括するソフトウェア「CRI ADX Automotive」を紹介する予定だ。
CRI D-Amp Driverはローパスフィルタなどの外部部品をほぼ使わずに、サウンド出力を可能にするミドルウェアだ。スピーカーを直接パルス駆動するCRIの独自方法で、従来のオーディオ信号増幅方式とは異なる新たな概念でのサウンド再生を実現、高音質な音声を出力する。
CRI D-Amp Driver × GaNは、CRI D-Amp Driverがスピーカーを駆動するための増幅回路をGaN半導体で構成している。これによって生まれた省電力性、低発熱性、高音質性で、電力消費を抑えたい環境や、限られたスペースでの活用を目指している。
CRIは「音と映像で社会を豊かに」を企業理念として、主に音声・映像関連の研究開発を行い、その成果をミドルウェア製品ブランド「CRIWARE」として、さまざまな分野に展開している。ゲーム分野で磨いたCRIWAREは現在、ゲーム以外の組み込み業界やモビリティ領域にも広がっている。




