シーメンスは、次世代車両開発を加速する新しいデジタルツイン技術「PAVE360 Automotive」を発表した。2026年1月6日に米国ラスベガスで開幕する「CES2026」において、初のライブデモンストレーションが行われる予定だ。
PAVE360 Automotiveは、自動車のハードウェアとソフトウェアの統合における複雑性の増大に対応するために設計された新しいカテゴリーのデジタルツインソフトウェアだ。事前統合された状態で提供され、すぐに使用できる製品として設計されている。
この技術により、自動車メーカーとサプライヤーは、ソフトウェア定義車両(SDV)の開発を加速できる。実際の車両ハードウェアを模倣した早期の完全システム仮想統合により、ADAS、自動運転、IVIのアプリケーションと低レベルソフトウェアの開発を促進する。
従来、顧客はソフトウェアをテストする前に独自のデジタルツインを構築する必要があったが、PAVE360 Automotiveはこの必要性を排除し、重要なアプリケーションの市場投入までの時間を数カ月から数日に大幅に短縮する。
PAVE360 Automotiveでは、最初期の段階から、ADAS、自動運転、IVIのカスタマイズ可能な仮想リファレンスデザインで車両システム開発を開始できる。単一のデジタルツインですべてのチームの開発を統合し、効率を最適化し、クラウドベースのコラボレーションを強化する。必要に応じてソフトウェア、モデル、外部ハードウェアを追加してカスタマイズと拡張が可能だ。
また、アームの新しいZena Compute Subsystem(CSS)を含む最新の自動車用IPのハードウェアライクなシミュレーション速度を活用し、ソフトウェア開発を加速する。デジタルツインを物理的なハードウェアに接続し、実際の車両でテストすることで、実世界のフィードバックで検証できる。
シーメンスとアームは以前から協力しており、2024年にはArm Cortex-A720AE、2025年にはArm Zena CSSの仮想環境を加速した。今回、シーメンスはArm Zena CSSをPAVE360 Automotiveにさらに統合し、業界がこれまで以上に迅速かつシームレスにアーム上で構築を開始できるようにする。PAVE360 Automotiveのようなデジタルツイン環境でArm Zena CSSにアクセスすることで、ソフトウェア開発が最大2年加速される。




