京セラ、3眼AI測距カメラや高分解能ミリ波センサー展示へ…CES 2026

京セラのブースイメージ
京セラのブースイメージ全 5 枚

京セラは、2026年1月6日から9日まで米国ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」に京セラグループとして出展すると発表した。

【画像】京セラのCES2026出展内容

今回の展示ブースでは、京セラ、Kyocera AVX Components Corporation、Kyocera International Inc.および京セラドキュメントソリューションズとともに出展。モビリティ社会の実現に貢献するさまざまな製品や技術のデモ展示を通して、グループの総合力と先進技術を紹介する。

主な出展内容として、水中ドローンなどへの活用が期待される水中光無線通信を展示。高速かつ大容量伝送を実現する次世代海洋ICT技術で、水中での光減衰を抑え、安定した高速通信を実現する。高精細映像やセンサで取得したデータをリアルタイムで送信が可能で、AUV(自律型無人潜水機)などによる海洋調査、構造物点検、海洋研究など幅広い用途への活用が期待される。今回、世界最速レベルの5.2Gbpsの通信容量を実現した通信技術も展示する。

初公開となる3眼AI測距カメラは、3つのレンズと独自AIを搭載した測距カメラ。従来、2つのレンズのカメラでは測定が難しかった金属などの反射する素材や半透明の物体、柔らかい線状物などの対象にも正確な距離測定が可能となった。奥行きや距離認識の精度が向上したため、工場での精密部品やワイヤーハーネス、ケーブルの測定のほか、医療現場では人体や金属製の器具の認識などに活用でき、人手不足の解消や作業効率の向上に貢献する。会場では実際に従来品と比較した認識精度を見ることができる。

高分解能ミリ波センサーは、物体の微小な振動を検知し、対象物に対する速度、距離、水平方向、垂直方向の4Dセンシングが可能なミリ波センサー。独自の基板材料技術による低ノイズ化や独自アルゴリズムにより、詳細な空間情報を取得。対象物を鮮明に検出することを可能とし、プライバシーと安全を両立した次世代ソリューションを提供する。自動運転支援や、介護現場での見守りから構造物監視まで、幅広い分野での活用が期待される。

光電集積モジュール(OPTINITY)は、電気配線基板技術と光集積技術を融合し、電気信号と光信号を変換する新たな光電集積モジュール。これまでサーバ機器内を電気で伝送されていたPCIe信号の光伝送化を実現。データセンターの高速化・省電力化、省スペース化に貢献し、生成AIの進展や自動運転など次世代インフラの発展を支える。この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業の結果得られたもの。

Kyocera International Inc.が展示するミリ波フェーズドアレイアンテナモジュール(PAAM)は、異なる方向・周波数で同時に複数のビームを生成することで、重要インフラの脅威検知、国家安全保障、ドローン監視などのセキュリティ分野における活用が期待されている。最適なビームステアリングとビーム指向性を確保するために、京セラはローデ・シュワルツ社のCATR(Compact Antenna Test Range)ベースのマルチリフレクターOTA(Over-the-Air)試験技術を活用している。

京セラドキュメントソリューションズの字幕表示システムCotopatは、海外・アメリカ初展示となる。話した言葉をリアルタイムに認識し、文字・図解・動画を表示することで、会話の聞き取りづらさを解消し、円滑なコミュニケーションを支援するシステム。2023年の販売開始以来、自治体や民間企業の窓口、受付など、さまざまな対面コミュニケーションの場で多くの顧客に利用されている。

京セラブースは、West Hall Vehicle Tech and Advanced Mobilityゾーン Booth #6501に設置される。

《森脇稔》

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