トヨタの『ランドクルーザー』の歩みを、誕生から現代まで通して整理した研究書『トヨタ ランドクルーザー』〈新装版〉を三樹書房が刊行した。日本およびヨーロッパのランドクルーザー研究家、考証家が執筆を担当し、日欧双方の視点からその変遷を詳述している。
本格四輪駆動車のランドクルーザーは1951年、トヨタ「ジープBJ」型として誕生した。ユーザーの要望を丹念に調査し、改良を重ねることで築き上げた信頼性と耐久性は、現在では他に類を見ない水準に達し、世界各地で使用されている。
本書では、誕生から2019年にグローバル累計販売台数が1000万台を突破するまでの歴史を、当時の貴重な写真とともに解説する。日本で最も長い歴史を持つ車種の一つとして、へビーデューティ系、ステーションワゴン系、プラド系の3系統に分かれて進化してきた過程を整理した。
ランドクルーザーの価値として、長期間使用に耐える強度と信頼性、あらゆる環境で鍛えられた悪路走破性、多様な架装用途に対応できる基本性能の高さを挙げている。人と荷物を確実に目的地まで運び、帰還できる性能が評価され続けてきた理由を検証する。
初期開発では、1950年8月に占領軍からの要請を受け、1951年1月に試作車を完成させた経緯を紹介する。排気量3386ccのB型ガソリンエンジンを搭載し、御殿場での入札テストでは高い走破性能を示した記録も残されている。
トヨタ・ランドクルーザーFJ55(1967年)
本書は、2020年10月にまとめられた内容を基に、ランドクルーザー誕生75周年の節目に合わせてカバーデザインを刷新した新装版である。各シリーズを代表するモデルを配置し、長年にわたる進化の軌跡をあらためて伝える構成となっている。
『トヨタ ランドクルーザー』〈新装版〉
絶え間なく続く進化の軌跡
著者:アレクサンダー・ヴォルファース/難波毅 <共著>
発行:三樹書房
体裁:B5判・上製・192頁(カラー136頁)
定価:5500円(本体5000円+消費税10%)
目次
先達から受け継いできたランドクルーザーにかける想い 小鑓貞嘉
第1章 トヨタBJ 型 - 伝説の始まり -(1951~1955)
第2章 20系 - 進化の始まり -(1955~1959)
第3章 40系 - オーラ -(1960~1984)
第4章 FJ55型 - 最初にして本当のステーションワゴン -(1967~1980)
第5章 60系 - 初の豪華ステーションワゴン -(1980~1989)
第6章 70系 - 新しきクラシック -(1984~)
第7章 80系 - タイヤをはいたゴジラ -(1989~1997)
第8章 90系 - プラドの独立 -(1996~2002)
第9章 100系 - 先駆者たれ -(1998~2007)
第10章 120系 - テクニシャン -(2002~2009)
第11章 150系 - ハイテクオフローダー -(2009~)
第12章 200系 - オートマチックオフローダー -(2007~)
終わりに
Model Line-up
ランドクルーザー系統図
ランドクルーザー生産年表
エンジン諸元表
主要諸元表
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