ポルシェのスーパーカー『カレラGT』、20年経て新車状態にフルレストア…1970年のルマン優勝車に着想

ポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGT
ポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGT全 8 枚

ポルシェは、2005年のスーパーカー『カレラGT』を特別プログラムSonderwunsch Manufakturを利用して技術的に整備し、新車同様の状態に復元したと発表した。

【画像】ポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGT

このカレラGTは、プエルトリコのビクター・ゴメス氏が所有する1台。新車登録から20年を経て、レストアされた。外観は1970年ル・マンで優勝したポルシェ「917」のザルツブルグデザインを再現し、赤と白の塗装にスタートナンバー23をあしらった。内装もゴメス氏の要望で赤いアルカンターラとマットカーボンを用いて個性的に仕上げられた。

ザルツブルグデザインは、オーストリアのザルツブルグ市を代表する1970年のル・マン優勝車の特徴的な赤白カラーリングのことを指す。今回のプロジェクトは、カレラGTの形状に合わせてデザインを細かく調整する高度な作業が行われた。ポルシェのデザイナーはスケッチやテープを使ってラインの動きを確認し、手作業で塗装を施した。使用されているマットブラックのカーボンパーツは、屋根の左右、A・Bピラー、ミラーキャップ、フロントのエアダクトとリアのディフューザーなどに配置された。

ポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGTポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGT

内装では、ダッシュボードやドアパネル、ステアリングホイール、センターコンソールに赤いアルカンターラを用い、フロントラゲッジルームのトリムや専用のラゲッジセットにも同じ素材が使われている。マットカーボンはシートシェルやエアベントカバー、メーターカバーにも使用され、シートのセンターパネルやサイドカー、ヘッドレストには『918スパイダー』由来の非燃性のFIAテキスタイルが採用された。

このプロジェクトはポルシェのFactory Re-Commissionプログラムの一環として行われた。これは顧客所有の車両を工場で徹底的にオーバーホールし、事実上ゼロキロ状態に戻す特別な技術サービス。外装や内装のカラーや素材もリニューアルでき、ポルシェのデザイナーと顧客が密に連携しながら要望を形にする。

なお、カレラGTは2003年に登場し、最高速度330km/hを誇ったスーパーカー。カーボンファイバーシャシーと中央にマウントされた5.7リッターV10エンジンはレーシング技術に基づき、出力は612PS、車両重量は1380kg。今回のレストアでゴメス氏は新車同様の状態に復元された愛車を保有することになった。

ポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGTポルシェのプログラムでフルレストアされた2005年製 カレラGT

《森脇稔》

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