ボッシュは、2026年1月6日に米国ラスベガスで開幕する「CES 2026」において、AI搭載コックピットとAI拡張プラットフォームを初公開すると発表した。
ボッシュは、Microsoft及びNVIDIAと協力し、自動車におけるAI導入を大幅に前進させる新しい「AI拡張プラットフォーム」を発表する。このプラットフォームにより、既存のコックピットシステムをAI機能で迅速かつ容易に拡張できるようになる。
ボッシュ取締役会メンバーのマルクス・ハインは「ボッシュのAI搭載コックピットは、乗員全員にとってより快適で直感的、そして安全な運転を実現する」と語る。
新しいAI搭載コックピットにより、自動車は単なる移動手段から、ドライバーの行動、好み、状況を理解するインテリジェントな自己学習型パートナーへと生まれ変わる。特徴として、利用者のニーズを先読みして対応するAI音声アシスタント、車室内状況の包括的な理解、正確なナビゲーション、豊富なエンターテインメントオプションなどがある。たとえば「寒い」という言葉を発しただけでも、シートヒーターが作動すると同時に、車内温度が調整されるなど、複数の機能を連携して作動させることができる。
市場調査機関であるGrand View ResearchやMarketsandMarketsなどでは、AI対応の車載インフォテインメント(IVI)ソリューションの市場規模は、2030年までに約170億ユーロに達すると予測している。ボッシュは、こうしたIVIソリューションにおける売上高が2030年までに20億ユーロを超えると予想しており、同市場においてトップ3の一角を占め、主導的な地位を築くことをめざしている。
現代の自動車に高度なAIを導入する主な活用例が、車内での非生産的な空き時間を、生産的な仕事時間に変えることだ。ボッシュはMicrosoftと協力し、ドライバーの安全性を損なうことなく、自動車をモバイルオフィスに変換しようとしている。このソリューションでは、Microsoft Foundryとコックピットの専用機能を統合することで、Microsoft 365 Productivity Suiteにシームレスにアクセスできるようになる。
さらにMicrosoft 365アプリケーションを、他の自動車ドメインとインテリジェントに連携させることで、安全性を優先しながら、注意力の散漫を最小限に抑えることができる。たとえば、ドライバーが直感的な音声コマンドを使ってMicrosoft Teamsの通話に参加すると、先を見越してアダプティブ クルーズ コントロールを作動させるようにシステムが指示を受けるといったことが可能だ。
ボッシュの新しい「AI拡張プラットフォーム」により、既存のハードウェアやシステム アーキテクチャを変更することなく、既存の自動車に迅速・簡単に後付けすることを可能にする。このプラットフォームの中核には、コックピット内の複雑なAIアプリケーションの基盤となる、強力な「NVIDIA DRIVE AGX Orinシステムオンチップ(SoC)」を活用している。
これは業界標準の「NVIDIA CUDA」プラットフォームに基づいており、自動車メーカー各社が独自のAIモデルやエージェントを簡単に統合することができる。150~200 TOPS(テラオペレーション/秒)の追加計算能力を提供するこのコンパクトな装置は、シンプルな電源とEthernetインターフェイス経由で接続し、柔軟なアクティブ空冷または液冷オプションによってサポートされる。
複雑なAI機能の開発と展開を加速させるために、ボッシュはエンドツーエンドのAIライフサイクルを管理する「NVIDIA NeMoフレームワーク」をはじめとする、NVIDIAのソフトウェアスイートも活用している。これにより、リアルタイムセンサー処理や視覚言語モデル(VLM)などの高度な車内アプリケーションをシームレスに統合できるようになる。
さらに、「NVIDIA Nemotronモデル」を活用したコア推論機能と音声機能により、文脈理解、マルチステップ推論、自然な会話によるユーザーインタラクションが実現する。さらに、ボッシュはMicrosoft Foundryを使用して車載AIを設計・管理することで、コックピット内で拡張性の高い常時最新のAIアシスタント体験を実現する。




