カーボンニュートラルの実現に向け、原動機の高効率化が求められる中、ターボチャージャー技術の役割が改めて注目されている。
内燃機関はもちろん、燃料電池など多様な分野で活用が進むターボチャージャーについて、原理から設計、組立、品質までを体系的に解説した技術書が新装。
グランプリ出版『ターボチャージャーの性能と設計』は、内燃機関およびターボチャージャーの研究・開発に長年従事してきた浅妻金平が執筆したものだ。陸上輸送用途の原動機は、大気汚染防止法への対応や地球温暖化対策の観点から、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンの双方でターボチャージャーを採用してきた経緯がある。
しかし、2017年以降、欧州では将来の排出ガス規制に対する懸念が示され、ハイブリッド車、EV、FCVを含めた全エネルギー効率の議論が進んでいる。さらに、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロとするカーボンニュートラル目標に各国が合意し、原動機と燃料の在り方は大きな転換期を迎えている。
本書では、水素燃料や合成燃料の動向を踏まえつつ、新たな原動機に求められる高出力、経済性、エネルギー密度、製造工程における温室効果ガス排出抑制などの要件を整理する。その上で、ターボチャージャー技術が燃料電池、空気冷媒冷凍サイクル、水冷媒冷暖房機、各種送風機など幅広い分野に応用されている点を示している。
構成面では、第2章で熱と気体の一次元流れに内容を集約し、数式は付録資料として整理した。また、組立品質や回転体の動バランス作業を扱う章では、現場の実例を図解で示し、品質保証活動についても独立した章を設けている。市場での使用実態を踏まえた品質確保と顧客満足度向上の考え方を、一貫した視点で解説している点が特徴だ。
『ターボチャージャーの性能と設計』
本書は2022年に内容を全面的に見直し、新たな項目を追加するなど100ページ以上の増補を行った改訂版をもとに、装丁を一新して再び市場に投入される。ターボチャージャー技術を基礎から理解したい技術者や、カーボンニュートラル時代の原動機を考える読者に向けた一冊となっている。
改訂新版『ターボチャージャーの性能と設計』(新装版)
著者:浅妻金平(あさつま・きんぺい)
発行:グランプリ出版
体裁:A5判・並製・480頁
定価:6600円(本体 6000円+税10%)
目次
第1章 過給の歴史と発展
第2章 熱と気体の流れ
第3章 ターボチャージャー付ディーゼルエンジン
第4章 遠心コンプレッサ
第5章 ラジアルタービン
第6章 軸および軸受、軸シール
第7章 振動、強度および材料
第8章 加工と組立
第9章 品質確認試験
第10章 市場の使われ方調査と品質保証活動
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