車載ディスプレイにカメラ内蔵、高級車向けドライバーモニタリングをLGイノテックが初公開へ…CES 2026

「次世代のアンダーディスプレイカメラモジュール」
「次世代のアンダーディスプレイカメラモジュール」全 1 枚

LGイノテックは、ダッシュボードに埋め込まれたカメラがドライバーをモニタリングする「次世代のアンダーディスプレイカメラモジュール」を、1月6日に開幕する「CES 2026」で初公開すると発表した。

アンダーディスプレイカメラ(UDC)は、車載用のカメラとソフトウェアが統合された、ドライバーをモニタリングするDMS(Driver Monitoring System)を構成する中核部品だ。ダッシュボードに埋め込まれたディスプレイに搭載されているため外部からは見えない。ドライバーが居眠り運転や脇見運転をしていないか、リアルタイムで感知・モニタリングする。

自動運転レベルの高度化に伴い、ドライバーの不注意防止のために欠かせないシステムとして注目されているDMSは、欧州では2026年から新車への搭載が法律で義務づけられる予定であるほか、米国や中国、それに日本といった主要国でも搭載義務化が前向きに検討されている。

そうしたなか、DMSの中核であるDMSカメラに対する市場の関心が高まりをみせている。特に高級車を中心に、洗練された優雅なデザインなど見た目の美しさからUDCに対する需要が徐々に高まっている。プライバシーの侵害を感じるなど、突出したカメラによるドライバーの精神的ストレスを解消できるというのもUDCが注目される理由だ。

一方、車載ディスプレイがカメラの視野を遮る構造による画質劣化の問題の解決は業界における長年の課題だった。自動車メーカー各社がUDCの導入を躊躇してきたのもそのためだ。

これを解決するために、LGイノテックは車載ディスプレイ業界を牽引するLGディスプレイとタッグを組み、2024年から本格的に新製品の開発に取り組んだ。1年余りにわたる研究開発の末、突出のないカメラをディスプレイに設置、それでいて画質劣化のない「次世代のUDC」の開発に業界で初めて成功した。

従来のDMSカメラは、ダッシュボードの上やハンドルなどドライバーの目に見える場所に設置されることが多く、すっきりした外見にすることが課題だと指摘されてきた。LGイノテックが開発した「次世代のUDC」は、ダッシュボートに設置された車載ディスプレイにカメラが埋め込まれている。同社はこうしたデザインの差異化がハイエンド自動車ブランドにアピールできると期待している。

同時に高画質も実現した。「次世代のUDC」の強みは、ディスプレイに埋め込まれていないカメラで撮影したものとほぼ変わらないレベルの画質だ。ディスプレイに埋め込まれると、パネルによって画質の劣化が生じるというUDCの特性上の問題をほぼ完璧に解決したという。

DMSカメラの性能を左右する中核要素は鮮明な画質。ドライバーの表情や瞬き、動きなどを正確に感知しなければならないからだ。しかし従来のUDCは、カメラの前にあるディスプレイのパネルによってDMSカメラに比べ30%ほど画質が落ちるという問題があった。

LGイノテックはUDCの画質劣化という長年の問題の解決に向け、自社開発した「AI画質復元ソフトウェア」を採用した。これはデブラー(ぼやけた画像・映像を鮮明にする)やデノイズ(撮影時に発生したノイズを除去する)といったAIアルゴリズムにより、劣化した画質を改善してくれる。

LGイノテックは「次世代のUDC」の性能を継続的にグレードアップしていく計画だ。

《森脇稔》

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