飲酒運転防止システム、累計3500台以上出荷も普及は伸び悩み…東海電子

アルコールが検知されるとエンジンがかからない車載型飲酒運転防止システム呼気吹き込み式アルコール・インターロック装置『ALC-ZEROⅡ』
アルコールが検知されるとエンジンがかからない車載型飲酒運転防止システム呼気吹き込み式アルコール・インターロック装置『ALC-ZEROⅡ』全 1 枚

東海電子は1月6日、運転前にアルコールチェックを行い、アルコールが検知されるとエンジンがかからない車載型飲酒運転防止システム「呼気吹き込み式アルコール・インターロック装置」について、2025年度の出荷実績および普及状況を公表した。

2011年5月1日、点呼におけるアルコール検知器の使用義務化が施行されてから10年以上が経過した。現在、法令上、トラック、バス、タクシーなど8万を超える運輸・交通事業者は、必ずアルコール検知器を設備として事業所に備え、点呼時の酒気帯び確認時にこれを使用しなければならない。

しかし、アルコール検知器義務付けが行われたものの、翌年以降、例えばトラックについては、ゼロに向かうどころか半減にすらいたっていない。前年比増という年もみられた。

特に2019年に国土交通省、運輸安全委員会から公表された事故調査報告書によって、フェリー使用時のトラックドライバーの飲酒実態が明らかとなり、「隠れた飲酒文化」に業界および社会が驚いた。また2024年5月に群馬県伊勢崎市で起きた3名の死者が出たトラック事故では、捜査の結果、飲酒運転であることが判明した。

2021年6月28日、千葉県で悲痛な飲酒運転死亡事故が起きた。加害側が「白ナンバートラック」であったことから、警察庁・公安委員会は、再発防止のため、安全運転管理者選任事業所に対し、アルコール検知器使用を義務付ける道交法施行規則の改正を行った。

東海電子は2009年9月から、運転前に呼気検査を行いアルコールが検知されるとエンジンがかからない飲酒運転防止システム「呼気吹き込み式アルコール・インターロック」を販売している。現在、アルコール検知器は多種多様なものがあるが、「運転前に必ず呼気をチェックし記録を残し、検知したらクルマが動かない」、このような強制力のある検知器は、アルコール・インターロック装置だけだ。

2011年に緑ナンバー、2022年に白ナンバー、ともに事業者へのアルコール検知器使用義務化の影響を受け台数を伸ばした年があったが、この3年は一定のニーズはありながらも、200台以下とやや低調な実績となっている。16年で累計は3500台を超えた。

全日本トラック協会においても、トラック業界での飲酒運転ゼロを目指し、このアルコール・インターロック機器を、例年、購入補助の助成金の対象としている。令和7年度も助成対象になっている。また、各県ごとのトラック協会でも、独自でアルコール・インターロック装置への助成制度を設けているところがある。加えて現在、呼気アルコール・インターロック装置は正式に「ASV補助金」の対象となっている。

海外では商用車よりも、「飲酒運転違反者への罰則として、アルコール・インターロック装置を強制的に装着させる」方式が一般的。米国では、未だに「毎年30万人」があらたにインターロック装着をさせられているほど、一般ドライバーによる飲酒運転が多い状態である。欧州でも近年、EUの交通安全ビジョンのうち、EU加盟国へ、アルコール・インターロック装着を促す政策が促されている状況だ。

東海電子は、年間2万人いる飲酒運転者へのアルコール・インターロック装着は、法制化されるべきと考えている。また、プロドライバーの飲酒運転ゼロの実現なくして、年間2万件以上もある日本の一般ドライバーによる飲酒運転ゼロ実現は不可能であるとも考えている。

同社は、事業用車両のドライバーと企業には施策を、飲酒運転の違反者(一般ドライバー)に対しては、世界では普通となりつつある行政罰としてのアルコールインターロック装着規則を、第12次交通安全基本計画に盛り込むべきと考えている。

東海電子はアルコール・インターロックの社会実装を目指している。社会実装とはすなわち、警察行政や運輸行政によるアルコール・インターロックの(補助金ではなく)、使用の義務化である。特に、飲酒運転違反者への強制装着が望まれる。

同社は2022年に、家庭・家族問題としての飲酒運転防止活動として、個人へのアルコール・インターロック装着を受け付ける専用ウェブサイトを開設した。本サイトを開設してから、飲酒や飲酒運転の問題を抱えている家庭からの問い合わせや、装着が増えている。

《森脇稔》

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