ホンダは1月9日、固定式バッテリーを搭載した排気量110cc相当の電動二輪パーソナルコミューター『UC3』をタイおよびベトナムで今春から順次、発売すると発表した。また、UC3の発売にあわせ、両国の主要都市における充電インフラの整備に取り組む。
UC3は、「Expected life. Unexpected discoveries」というホンダの二輪電動事業の新しいブランドプロミスを具現化した初の電動二輪パーソナルコミューターモデルだ。開発コンセプトは「Intelligent Urban Life Partner」で、EVならではの新たな体験価値と、ホンダが長年ICE(内燃機関)モデルで培ってきた高い品質・安全性を提供する。
動力電源には、ホンダでは初めてとなる固定式LFP(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーを採用。モーターは、ホンダ独自の開発・生産となるホイールサイドモーターを採用し、最大出力6.0kWを発揮する。また、回生制御や磁気回路構造の最適化により、高効率化を図ることで一充電あたりの航続距離122km(タイにおけるWMTCモード1での認定値)を実現している。
ホンダ UC3
さまざまな走行シチュエーションや顧客の好みに応じて、STANDARD、SPORT、ECONの3通りから走行モードを選択できるとともに、リバースモードも装備することで駐車時や切り返し時の取り回しを容易にしている。
デザインはフロントからリアまで曲線を取り入れ、テール周りはアーチを描いたような特徴的なフォルムのスタイリングとした。初の電動モーターサイクル『WN7』にも採用した横一文字のシグネチャーライトや、ブラックを基調とした車体色にゴールドカラー部品によるアクセントを取り入れた、電動二輪車専用のカラーリングを設定した。また、プロダクトマークには、電動二輪車専用の新たなフォント「Honda」を採用している。
UC3の充電方式は、CHAdeMO(チャデモ)協議会が推奨する国際標準規格をベースとした「二輪CHAdeMO」を採用した。顧客の充電環境に合わせ、1200Wと450Wの2種類の充電器を用意している。
ホンダはUC3発売に合わせ、タイとベトナムで固定式バッテリー搭載車用の充電インフラの整備に取り組む。タイではバンコク市内を中心にホンダの二輪販売店やショッピングモールに二輪CHAdeMO方式の充電ステーションの拡充を図る。同様にベトナムの主要都市(ハノイ、ホーチミン、ダナン)にあるホンダの二輪販売店に充電ステーションの設置を始め、2026年6月の稼働を目指す。
ホンダ UC3また、ホンダはタイとベトナムで、交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を用いた電動二輪車の利用環境改善にも平行して取り組んでいく。バンコクとハノイのホンダ二輪販売店には「Honda e:Swap BATTERY STATION(ホンダ イースワップ バッテリーステーション)」の設置拡充を進めていく。
UC3はタイホンダカンパニーリミテッドで2025年12月から生産が開始され、同国およびベトナムへ供給される。さらに、ベトナムでは2026年中にホンダベトナムカンパニーリミテッドでの国内生産への切り替えを予定しており、電動化シフトが加速するベトナム二輪市場にタイムリーに商品を届ける生産体制を構築していく。
ホンダは、2050年にホンダの関わる全ての製品と企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指しており、二輪事業においてはICEの進化に継続的に取り組みながら、今後の環境戦略の主軸として二輪車の電動化も平行して進めている。今後、ホンダはグローバルで電動二輪車を毎年投入する予定で、顧客のニーズに応える幅広い商品ラインアップを展開する。多様化する顧客のニーズや環境規制の強化にともなう二輪市場の変化に合わせ、商品と事業活動の両面から包括的なアプローチをとることで「自由な移動の喜び」をより多くの人々へ提供していく。将来的には、バッテリーのリパーパスとリサイクルに取り組み、循環型バリューチェーンの構築を図り、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとする。




