BBSが切り開く新領域 マグネシウム鍛造ホイール『MAG R』の衝撃…東京オートサロン2026

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BBSブース…東京オートサロン2026
BBSブース…東京オートサロン2026全 32 枚

BBSジャパンは東京オートサロン2026(幕張メッセ、1月9日~11日)で新しいマグネシウム鍛造コンセプトホイール「MAG-R」を発表した。参考出品の魅力と可能性に迫る。

MAG Rコンセプトの造形に驚く

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ブースの前面に展示されたBMW M3に履かれていたのは、今まで見たこともない繊細な機械加工処理が施された美しいホイールだった。これこそが今回BBSジャパンが参考出品したマグネシウム鍛造1ピースホイール「MAG-Rコンセプト」だ。スポークのセンターパート側には縦横に穴が穿たれ、スポークサイドにも大きなえぐりを加えた造形が先鋭的で美しい。見るからに軽さと強さを感じさせる。従来のアルミホイールでは実現不可能に思えるそのデザインは、まさにマグネシウム鍛造を強く感じさせるものだった。

マグネシウム鍛造の歴史とBBSの強み

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そんな参考出品を見て、あらためてマグネシウム鍛造ホイールについて深掘りしていくことにした。そもそもBBSがマグネシウム鍛造をホイールに取り入れたのは、レーシングホイールへの投入がきっかけだった。BBSでは1992年に世界初となるF1用マグネシウム鍛造ホイールの供給を始め、マグネシウムを扱う技術を高いレベルで培ったのが発端となる。こうして技術力を蓄えたBBSでは、マグネシウムを使ったホイール技術を一般ユーザーにも届けたいという強い思いから、2000年代初頭に市販モデルとしてマグネシウム鍛造ホイールを世に送り出している。

マグネシウムはアルミの3分の2という軽さを持ち、同時に高い強度も備えている素材なのが特徴だ。そのため超軽量ホイールを作るにはふさわしい素材なのだが、加工技術の難しさや高いコストが弱点となっているのは否めない現実でもある。そんなマグネシウム鍛造ホイールだが、今BBSが新たに開発をスタートさせたのには意味がある。そこでBBSジャパンでマグネシウム鍛造ホイールの開発を手掛ける開発本部 設計部の横川貴行さんに、開発の経緯や「MAG-Rコンセプト」の特徴について話をうかがうことにした。

EV時代に向けた軽量高強度という回答

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「マグネシウム鍛造の開発を加速させた理由は、現代のクルマの変わりつつある状況があります。具体的にはEV化などによって車両重量が増加し、ホイールの耐荷重が求められています。一方で耐荷重を高めるためにはホイールは重くなってしまいます。そこで軽量で高強度が持ち味のマグネシウムを用いたホイールにあらためて注目したんです。今後はスーパースポーツのEV化も予想されますから、マグネシウム鍛造ホイールの注目度はますます上がっていくことが考えられるのです」

次に参考出品としてお披露目された「MAG-Rコンセプト」について話をうかがった。デザイン的にも斬新な同モデルは、どのようにして複雑かつ繊細な造形を成立させたのだろう。

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「エグリや穴あけは機械加工を用いて処理しています。軽量・高強度のマグネシウムだからこそできた造形と言えるでしょう。この形は設計陣からしてもかなりぎりぎりの攻めた設計なんです。本来マグネシウムはしなりが少ない強度の高い素材ですが、スポークの分岐点などに応力が集中することは避けたいです。そこでスポークの付け根部分に穴を穿って応力を分散させています。スポークの外周側がしなっても全体のバランスがとれるように設計したんです。これも元々の強度が高いマグネシウムだからこそ許される形状であるといえるのです。穴やエグリはデザイン面だけではなく、しっかりと性能と応力のバランスを見た上で施された造形なんです」

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BBSではアルミに加えてジュラルミン、フォルテガ、そしてマグネシウムと複数の素材を使いこなすホイールメーカーである点も他社にはない特色だ。これも高い技術力の裏付けがあってこそ成し得た素材の多様性である。そして近年は新開発からやや遠ざかっていたマグネシウムの開発をあらためて加速させることは、「ホイールは素材で性能を大きく変えることができる」ことをユーザーに知ってもらう意味もあったという。

「マグネシウムは加工が非常に難しい素材でもあるのです。特に温度管理には非常に敏感で、各工程で温度を最適に保つことで製品を安定させる必要があり、これには高いノウハウが必要になります。またアルミは伸びる性格を持ちますが、マグネシウムは固くもろいことも加工を難しくしている要因です。これをクリアするためにもマグネシウム用の設備が必要になることもハードルのひとつです」

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さらにF1へのマグネシウム鍛造ホイールのワンメイク供給という経験も、BBSのマグネシウム鍛造技術を高めるのに一役買っている。F1では年間かなりの数のマグネシウム鍛造ホイールを使う。そのすべてをBBSが供給するには安定した生産能力が求められる。品質や製造での安定性を高めたのも、そんなF1での経験があったからこそ実現したともいえるだろう。

市販化への期待と注目の新作ホイール

BBSジャパン代表 新田孝之氏BBSジャパン代表 新田孝之氏

ここまで紹介してきたマグネシウム鍛造ホイールの「MAG-Rコンセプト」は、あくまでも参考出品だ。ただ市販化へのハードルはまだまだ先になるのかと思いきや、プレスカンファレンスに登壇したBBSジャパン代表の新田孝之さんが、

「MAG-Rコンセプトの発売は未定ですが、今年の早いタイミングでリリースについての紹介ができるのでは、と思っている」

と語った通り、それほど時間を空けずに正式リリースされることが予想されるので大いに期待したい。新時代のスポーツホイールの1ジャンルを確立することが予想されるマグネシウム鍛造ホイールは、近年の車両の変化に合わせてニーズも強くなっていくことで相乗効果が生まれる可能性もある。ユーザーの選択肢が増えるという意味からも、登場が待たれる高品質・高性能な新ホイールの登場となりそうだ。

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BBSブースでは「MAG-Rコンセプト」以外にも注目の新モデルが登場したのでまとめて触れておこう。そのひとつが「RT88」だ。レース用の「E88」のデザインを見たユーザーからの多くのリクエストを受けて北米で生まれた「RT88」は、アルミ鍛造2ピースホイールであり10本クロススポークを持ったリムありモデルとして人気を博し、満を持して日本での発売(3月発売予定)が開始される。

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ブースには早速、ポルシェ911GT3 RSにセットして展示。フロント20×10.0J IN45、リア21×13.0J IN31のスペックで、カラーリングはモータースポーツゴールド×シルバーダイヤカット。存在感も抜群のモデルとなった。

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また昨年の東京オートサロンでリリースが公開されたフォルテガを素材として使った「FL」には、早くも22インチが追加された。ブースではデモカーであるメルセデスベンツ・AMG G63に装着し、22×10.5J IN28のサイズ感をアピールした。

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マットエボニーのカラーリングも新色として新たに投入され、注目を集めた。

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さらに定番モデルである「LM」に新色が追加設定されたのもトピックとなった。ディスク=マットゴールド、リム=シルバーダイヤカットのカラーリングも注目のニューアイテムとなった。

レースシーンをルーツに持つBBSは、高い技術力を備え、チャレンジングな製品開発も特徴の先進メーカーだ。マグネシウム鍛造ホイールの開発を加速することも、今回の東京オートサロン2026では大きなトピックとなった。ハイパフォーマンスホイールの勢力地図が変わる可能性もある新開発だけに、今後のBBSの動向には要チェックだ。

BBSの魅力的なホイール詳細はこちら!

《土田康弘》

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