新開発カラー「ネイビーブルーマイカ」は何が違う? 新型マツダ『CX-5』が目指した「王道を極める」ということ…東京オートサロン2026

マツダ CX-5 新型(ネイビーブルーマイカ)東京オートサロン2026
マツダ CX-5 新型(ネイビーブルーマイカ)東京オートサロン2026全 16 枚

マツダは、今年日本で発売予定の新型『CX-5』にラインナップする新開発のボディカラー「ネイビーブルーマイカ」を「東京オートサロン2026」で初公開した。現行車にある「ディープクリスタルブルー」から正常進化したカラーだ。マツダデザイン本部チーフデザイナーの椿貴紀さんは、「高解像度化、ハイレゾリューションがキーワード」だと説明する。

【画像】新型CX-5の新色「ネイビーブルーマイカ」とインテリア

◆人気色、だからこその正常進化

従来のディープクリスタルブルーマイカ(左)と新色のネイビーブルーマイカ(右)従来のディープクリスタルブルーマイカ(左)と新色のネイビーブルーマイカ(右)
従来のディープクリスタルブルーマイカ(左)と新色のネイビーブルーマイカ(右)の塗膜構成図従来のディープクリスタルブルーマイカ(左)と新色のネイビーブルーマイカ(右)の塗膜構成図

ネイビーブルーマイカのポイントは2つ。先ずひとつ目は、「粒子です。マイカの粒子を細かいフレークにすることで、よりソリッドな雰囲気を出しています」。そして2つ目が、ハイライトの部分の輝き方だ。「ディープクリスタルブルーは少し強い光を浴びると白く光る傾向がありました。今回は光ってもしっかりネイビーに見える。この2つを実現したいという思いを込めてアップデートしたカラーです」。

なぜあえてネイビーを狙ったのか。椿さんは、「CX-5は主力車種ですので売れている色をしっかりラインナップしたかったんです」。そこで、「ディープクリスタルブルーは各リージョンで10%くらいの割合を占めていますので、そのラインナップは外さずにより良くしたいと、ディープクリスタルをアップデートしました」とコメント。

現時点で人気色だけに、新たな開発は必要ないのでは、という意見もあった。しかし、「新型CX-5は本質を磨き上げる、王道を極めることを主査とやってきましたので、色でもそういうところをしっかりと実現したいと考えたのです」と話す。

◆特別なことをしないのが特別

マツダ CX-5 新型(ネイビーブルーマイカ)東京オートサロン2026マツダ CX-5 新型(ネイビーブルーマイカ)東京オートサロン2026

マツダは「匠塗」と呼ばれる最上級の塗装技術を持っているが、今回は通常の2コートカラーで仕上げられた。あえて匠塗にしなかった理由は、「日常でも気兼ねなく使ってほしい」から。「あまり特別なことをせずに、スタンダードを磨き上げる。そうすることでエクストラを払わなくても、良い色が買えるという価値を提供したい。ですからカラーデザイナーには無理をいってあまり特別なことをせずに実現してもらいました」。

また椿さんは、「特別なことをしないということがCX-5としてはすごく特別なこと」と禅問答のような答えも。「他のクルマでは、どんなことをしても良い色、派手な色を出したくなるものですが、そういうことをせずに本質を磨き上げることにこだわりました」。これは新型CX-5の開発にも当てはまり、本質を磨き上げることに専念。それこそがCX-5だという思いが込められている。

ここまでこだわったネイビーブルーマイカは、カラーデザイナーからの提案から始まったそうだ。担当したCMFデザイナーは、アメリカのスタジオでカラーのスタディを行った。その理由はCX-5の主戦場のひとつがアメリカだからだ。そこでの結果は、「カルフォルニアの光は非常に強いので、ディープクリスタルブルーはエッジの部分が白っぽくなってしまい、そこが目立ってしまったんです」という。

マツダ CX-5 新型が採用する「ネイビーブルーマイカ」マツダ CX-5 新型が採用する「ネイビーブルーマイカ」

また、欧米のメーカーにおいて近年青色のラインナップが増えてきていることも考慮すると、「少し古臭く見えるところがあると報告がありました」。そこで、「カルフォルニアの強い光でもしっかりネイビーに見える色をやりたいという提案だったんです」と教えてくれた。

「グローバルで良い色に仕上がりました」と胸を張る椿さんだが、量産直前にやり直しが入るという苦労も。晴れの日にはきちんとコントラストがついて見えたが、最終確認のレビューの際に曇り空の下で見たら真っ黒に見えて陰影が見えなかったという。スタンダード色(標準色)だけに、「どの市場でも売れてほしいし、良く見えるようにしたい」という思いがあった。

「例えばドイツは秋から次の春まで曇りの日が多いですし、日本も梅雨など雨の日が多い。カリフォルニア以外のそういうところでもちゃんと紺に見えるようにしたい、そういう目線が必要だと改めてFF性(同一の色でも見る角度によって色が変化し、異なった色に見える性質)を少し強めにした結果、この色になりました」と明かした。

マツダデザイン本部チーフデザイナーの椿貴紀さんマツダデザイン本部チーフデザイナーの椿貴紀さん

◆ネイビーと白のコーディネート

今回のカラー開発では新たな取り組みもあった。「これまではデザイナーが色を見て、もうちょっと彩度が、とか青みが赤みが…と言葉で伝えていました。そこをデジタルによって定量化することにトライしました。この色は前の色より青みが強くなったなどを数値で見えるようにすることで、サプライヤーも含めて方向性が明確になり短期開発ができるようになったんです」と話す。

最後に椿さんは、「ネイビーブルーマイカはパッと見て派手さはないかもしれませんが、日々の生活で気兼ねなく使える良い色だと思っています。それがネイビーの人気の秘密でしょう。もっと青が強かったりすると抵抗感を持つお客様もいるかもしれません。ですが、パッと見、それほど派手さはなくても、光るとしっかり青みが出てくるので、ぜひ外光の下で見ていただきたいです」。

そして、新型CX-5のインテリアとのコーディネートも売りだ。「白と黒のツートーンとの相性がすごく良いんです。洋服でもネイビーと白のボーダーは常に誰が見ても清潔感があるでしょう。そこに通じる気がするんです。ですからドアを開けて内装色と一緒に見ていただきたいですね」と語った。

マツダ CX-5 新型(ネイビーブルーマイカ)東京オートサロン2026マツダ CX-5 新型(ネイビーブルーマイカ)東京オートサロン2026

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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