日本自動車工業会(自工会)の二輪車委員会は1月14日、2026年初のメディアミーティングを開催。ヤマハ発動機社長で同委員会委員長の設楽元文氏は「駆」という漢字一文字に思いを込め、「本年は『二輪文化の創造と二輪車の活性』をテーマにより力強く取り組んでいく」と抱負を語った。
日本自動車工業会 二輪車委員会設楽元文委員長(ヤマハ発動機社長)
日本での二輪車普及と安全啓蒙に向けた活動を積極的におこなう自工会の二輪車委員会。2025年の活動を振り返った設楽委員長は、かねてより掲げている「二輪文化の定着と活性化」の成果のひとつとして「鈴鹿8時間耐久ロードレース」を挙げ、若い世代に魅力を訴求するため取り入れた16~23歳を対象にした“ZERO円パス”や、音楽フェスの併催などによって3日間の来場者が前年比110%の約6万1500人にのぼったと紹介した。
また11月に開催された「ジャパンモビリティショー2025」では、4メーカー合同による8耐にまつわる屋外イベントや、メーカーのトップからなる自工会正副会長によるトークショーも実施。「私自身も愛車を展示し、思い出話とともに『もっと二輪に乗ろう』というメッセージをお伝えできた」と手応えを語る。
2025年の二輪車登録・出荷実績一方で2025年の二輪車の登録・出荷実績は36万1000台で前年比98.4%となった。人気となっている125cc~250ccの軽二輪が108.4%と伸長したものの、他カテゴリーでは最大4.3%もの減少に転じた。コロナ禍で二輪車がブームとなった2021年に41万5892台を記録したものの、以降はゆるやかに減少に転じている。また、50cc以下の原付一種の生産が終了、125cc以下で出力を4kW以下に抑えた「新基準原付」が従来の原付免許で乗れるようになるものの、まだ製品の数は少なく市場への影響は大きいとみられる。
新基準原付については、2025年4月の道路交通法改正以前より啓蒙活動をおこなってきた。新基準では従来の原付一種免許や四輪の普通免許で125cc以下で出力を4kW以下に抑えた車両を運転することができるが、まだ誤解も多いという。125ccの「原付二種」クラスを運転できるようになるわけではなく、交通ルールも従来の50cc以下と同じものが適用されるが、こうしたルールの周知が特に現在50cc原付を利用しているユーザーである地方在住者や高齢者へ届いていない。ユーザーと接する販売店での呼びかけや、訴求が今後の課題だ。
新基準原付こうした市場環境の中で注目するのが「保有台数」だ。同委員会によると日本の二輪車の保有台数は1000万台を下回ったことがないとし、中でも250cc以上の小型二輪や大型二輪は需要が伸びているという。こうしたカテゴリーはスポーツバイクをはじめ趣味材として選ばれていることから、アクセサリーやカスタムパーツなどのアフターマーケット市場を含め「業界全体を捉える視点がますます重要だと感じている」とし、大人の趣味材であるバイクの楽しさを若い世代に継承していくことが重要であること、こうした取り組みが二輪文化の創造につながると設楽委員長は語った。
ミーティングの締めくくりには、設楽委員長が直筆で今年の抱負を漢字一文字をしたためた。就任一年目の2025年には「心」としたが、今年は「駆」だ。
「今年は60年に一度の丙午の年で、オートバイは馬にちなんだ扱いを多くされることから、非常にマッチした年だと思います。去年は「心」を選びましたが、「心」は何か変化が出る時には心が先に発つことを表しました。今年は心の中に疾走感を持って駆け巡り、バイクが心に占める割合が増えると(ライダーの)琴線に触れるだろうと思い、選びました。今年一年、その疾走感が伝わって需要が喚起しながら、本当にクオリティのある時代性を持った活動ができればと思っています」
「駆」の文字を掲げる日本自動車工業会 二輪車委員会設楽元文委員長(ヤマハ発動機社長)



