三菱電機、EV向けトレンチ型SiC-MOSFETチップ4品種を開発…電力損失を約50%低減

トレンチ型SiC-MOSFETを製造したウエハ(左)とサンプル提供を開始するチップ(右)(イメージ)
トレンチ型SiC-MOSFETを製造したウエハ(左)とサンプル提供を開始するチップ(右)(イメージ)全 1 枚

三菱電機は1月21日、EVのトラクションインバーターやオンボードチャージャー、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどのパワーエレクトロニクス機器に使用可能なトレンチ型SiC-MOSFETチップ4品種のサンプル提供を開始する。

近年、脱炭素社会の実現に向けて、パワーエレクトロニクス機器の市場拡大が見込まれている。EVのトラクションインバーターや太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどのパワーエレクトロニクス機器は、性能や品質の向上に向けさまざまな仕様が増えており、それに伴い機器に使用されるパワー半導体を、チップとして組み込む要望が増えている。

三菱電機は、電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体モジュールを2010年に製品化して以来、エアコンや産業用機器、鉄道車両のインバーターシステムに採用され、家電や産業用機器、鉄道車両の低消費電力化に貢献してきた。

今回、さまざまなパワーエレクトロニクス機器へのパワー半導体チップの組み込みニーズに対応するため、新たにパワー半導体「トレンチ型SiC-MOSFETチップ」をラインアップする。

新製品は、既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップと同様、同社独自構造を採用したトレンチ型SiC-MOSFETにより、プレーナー型SiC-MOSFETと比較して電力損失を約50%低減する。加えて、同社独自のゲート酸化膜製法などの製造プロセス技術により、電力損失やオン抵抗などの変動を抑制し長期間使用時における品質の安定性を実現する。

これらの技術を適用した仕様の異なる4品種のパワー半導体チップをラインアップすることで、EVのトラクションインバーターやオンボードチャージャー、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどさまざまなパワーエレクトロニクス機器などへの組み込みが可能となり、機器の低消費電力と性能維持に貢献する。

新製品の特長の1つ目は、新たに4品種のトレンチ型SiC-MOSFETチップをラインアップし、さまざまなパワーエレクトロニクス機器への組み込みニーズに対応すること。既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップに加え、使用範囲を広げるチップ4品種を新たにラインアップし、EVのトラクションインバーターやオンボードチャージャー、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどの、さまざまなパワーエレクトロニクス機器へのパワー半導体チップの組み込みニーズに対応する。

2つ目は、既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップと同様の独自構造を採用し、パワーエレクトロニクス機器の低消費電力化に貢献すること。Siパワー半導体チップの製造で培った微細化技術を活用したトレンチ型を採用することで、従来のプレーナー型に比べオン抵抗を低減する。同社独自構造の斜め方向からのイオン注入方式を採用することで、従来の垂直方向からのイオン注入方式と比べ、スイッチング損失を低減する。オン抵抗とスイッチング損失の低減により、プレーナー型SiC-MOSFETと比較して電力損失を約50%低減し、パワーエレクトロニクス機器の低消費電力化に貢献する。

3つ目は、既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップと同様、独自の製造プロセス技術を活用し、パワーエレクトロニクス機器の性能維持に貢献すること。プレーナー型SiC-MOSFETやSiC-SBDに関する20年以上の研究、製造実績で培ったSiC独自の工程管理や、同社独自のゲート酸化膜製法などの製造プロセス技術を、トレンチ型SiC-MOSFETに活用する。スイッチングオン、オフ動作の繰り返しによって発生する電力損失やオン抵抗などの変動を抑制し、長期間の使用における品質の安定性を実現する。パワーエレクトロニクス機器の性能維持に貢献する。

なお、本製品は「第40回ネプコンジャパン エレクトロニクス開発・実装展」(1月21日から23日、東京ビッグサイト)をはじめ、北米、欧州、中国、インド等で開催される展示会へ出展する予定だ。

《森脇稔》

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