ホンダがF1復帰、アストンマーティン・アラムコとワークス提携 三部社長ら記者会見

新Hマークを施した2026年のホンダF1マシン
新Hマークを施した2026年のホンダF1マシン全 13 枚

「困難から学ぶことは大きい」と本田技研工業(ホンダ)の三部敏宏取締役代表執行役社長は言う。ホンダは1月20日、東京都内で「2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会」を開催した。

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ホンダは2026年シーズンより、Aston Martin Aramco Formula One Team(アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラワン・チーム)にワークスパートナーとしてパワーユニット(PU)を供給し、FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)に参戦する。


発表会には、ホンダの三部社長に加えて、Formula One Groupのステファノ・ドメニカリ会長兼CEO、Aston Martin Aramco Formula One Teamのローレンス・ストロール取締役会長が登壇した。

●ホンダF1参戦の原点と意義

三部社長は、ホンダが1964年にF1へ初参戦し、「数々の挫折を乗り越え」1965年のメキシコグランプリで初勝利を挙げた歴史に言及した。1980年代中盤から1990年代前半にかけては、WilliamsやMcLarenと共に黄金期を築き、2021年にはRed Bull Racingとドライバーズチャンピオンを獲得したと振り返った。

そしてF1参戦は、「世界一にこだわれ」「最も困難なものへ挑戦せよ」という創業者・本田宗一郎の精神を体現するものであり、「ホンダのチャレンジング・スピリットの象徴」であると位置づけた。

2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会

●2026年レギュレーションと新たな挑戦

2026年シーズンからF1は、車体とPUの両面で大幅なレギュレーション変更を迎える。PUでは電動出力が従来の約3倍となり、内燃機関にはサステナブル燃料の使用が義務付けられる。さらにコストキャップ制度の下で、限られた資源を最大限に生かす開発効率が求められる。

ホンダはこれを新時代を象徴する挑戦と捉え、レース運営子会社のホンダ・レーシング(HRC)が2026年向け新型PU「RA626H」を開発。Aston Martin Aramco Formula One Teamと共に世界の頂点をめざすとした。「ホンダの技術者の真価が試される。簡単な道は存在しない。世界最強のPUを作りたい」と三部社長。

RA626Hを搭載するF1マシンには、ホンダ四輪事業の新たなシンボルとなるHマークを掲げる。

RA626H(2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会)RA626H(2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会)

●F1活動の四輪事業への波及

また、HRCがモータースポーツで培った技術や知見を生かし、走りを磨いたHRC仕様モデルを市場に投入する方針も示された。『シビック・タイプR HRC』コンセプトをベースにした市販モデルを通じ、操る喜びや走る楽しさを顧客に提供するとした。

厳しい経済的環境の中でホンダはF1に復帰する。「特にホンダの四輪事業は厳しい。F1は人と技術を成長させるので、将来のホンダの競争力を高める。F1は高速でPDCAサイクルを回す。電動化や熱マネジメント技術など、量産車につながる。HRCを通じて四輪事業に貢献できる」と、ホンダがF1に参戦する意味を説明する。

三部社長は、F1で培われるモーターやターボの高速回転技術、電動化や熱マネジメント技術が、次世代ハイブリッド車やEV、さらには空のモビリティにも応用されている点を強調した。「F1を起点に、陸・海・空・宇宙といった多様なモビリティ分野で技術革新を進め、持続可能な社会の実現に貢献していく。ホンダとF1は親和性が高い。F1の技術がホンダの技術基盤になる」。

シビック・タイプR HRCコンセプト(2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会)シビック・タイプR HRCコンセプト(2026 Honda × Aston Martin Aramco F1 Team ニューパートナーシップ始動発表会)

●F1人気拡大

フォーミュラワングループのドメニカリ会長兼CEOは、ホンダとAston Martin Aramco Formula One Teamの提携を「2人の巨人による挑戦」と表現し、ホンダの復帰が日本市場におけるF1人気の拡大を後押しすると述べた。

Aston Martin Aramco Formula One Teamのストロール取締役会長は、2026年からシャシーとPUを一体で設計・開発する真のワークスパートナーシップを結ぶことが、チャンピオン獲得に不可欠であると語った。「Aston Martin Aramco Formula One Teamとホンダは、多くの価値観を共有している」。

HRCの渡辺康治代表取締役社長も登壇し、F1日本グランプリ(3月29日決勝)のチケット完売に触れ、「日本でのF1人気拡大には、接触機会の拡大と日本人ドライバーの活躍が重要だ」と述べた。

2026年のホンダF1マシンはロゴも新しい2026年のホンダF1マシンはロゴも新しい

●コラボハイパーカー登場か?

F1を起点とした将来の量産車やスポーツカー、ハイパーカーの展開については、ホンダとAston Martin Aramco Formula One Teamの両社とも、まずはレースで結果を出すことを最優先としつつ、将来の可能性に含みを持たせた。

ストロール取締役会長は「ホンダとの関係は始まったばかりだが、志は高い。現在の計画にはないが、できないものではない。ポジティブに考えている」と述べ、ホンダの三部社長は「まずはレースで結果を出すことが最優先。F1でのパートナーシップがブランドになれば、量産車ビジネスの拡大は考えられる」と語った。

《高木啓》

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