トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、地方自治体における「2050年カーボンニュートラル」実現に向けて、次世代車の普及と燃料生産過程を考慮した自動車からのCO2排出量の試算手法を開発したと発表した。
八千代エンジニアリングと共同で実施した研究成果を「第72回土木計画学研究発表会・秋大会」にて発表している。
本研究は、ハイブリッド車やBEV、FCEVなどの次世代車を含めたCO2排出量の試算手法について、交通渋滞緩和や次世代車転換の定量評価を可能にするもの。従来の試算方法では、次世代車の普及状況や燃料生産過程を含めたCO2排出量、施策の定量評価の精緻化に課題があった。
開発した試算手法では、走行時だけでなく燃料の精製・輸送・供給といった「燃料生産過程」を含めたCO2排出量を採用。多種多様な燃料を公平に比較できる評価を実現した。また、交通渋滞による低速度域でのCO2排出量の増加や、最適な速度域で最小値をとる排出量の特性を、旅行速度別に適用することで、交通状況の変化による影響を考慮した評価を実施した。
さらに、AI画像解析システム「TRAVIC」を活用したナンバープレート調査により、車検証情報から得られる車種及び燃料を把握。地域ごとの次世代車の普及状況を考慮したCO2排出量の試算を可能にした。
山口県周南市、福岡県糸島半島エリア、鹿児島県肝属郡肝付町での試算により得られた評価結果では、旅行速度の改善により周南市および肝付町で約3%、糸島半島エリアで約6%のCO2削減効果が見込まれることが分かった。また、小型ガソリン車を小型BEVに100%転換すると、48から50%程度のCO2排出量削減効果が見込まれる。この結果により「旅行速度改善」と「小型ガソリン車の6から13%程度を小型BEVに転換」は、同等程度のCO2削減効果が見込まれることが明らかになった。
今後は、次世代車の実走行データなど、より詳細な情報を補完することで試算精度を高めるとともに、本手法を用いてさまざまなカーボンニュートラル施策の比較評価を行い、自治体へ提示することで最適な施策選定を支援していく。




