東陽テクニカ、モータトルク試験システム「TSB」刷新…1万rpm超の誘起電圧計測に対応

TSB600B
TSB600B全 2 枚

東陽テクニカは、モーター性能を評価するオールインワンモータートルク試験システム「TSBシリーズ」をリニューアルしたと発表した。

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今回のリニューアルでは、筐体サイズを刷新し、顧客の要望に応じた機能の拡張性を高めるとともに、最大1万rpm超までモーターの誘起電圧を計測できるオプション機能を追加可能とした。加えて、試験システム全体を保護するカバーを新たに標準装備し、複数のロック機能を追加するオプション機能も設けることで、試験環境の安全性をさらに向上させている。

同社は2022年3月に、トルク・回転数・効率測定などを容易に行えるモータートルク試験システムとして「TSBシリーズ」を開発し、提供を開始した。1~15kWクラスのモーターを対象に、研究開発から量産前評価まで幅広い用途で使用されている。

近年、eモビリティ分野や産業機器分野を中心に電動化はより一層進展している。EVやPHEVをはじめとする電動車両、電動二輪、電動建機に加えて、AGV、物流ロボット、ポンプ、ブロワ、搬送装置など、従来はエンジンや油圧などで駆動されていた産業機器・装置の動力をモーターへ置き換えた製品・システムの開発などより広い産業分野での電動化が加速している。

そのため、開発現場では、モーターの一層の高効率化ならびに高速回転化が求められている。高効率化は消費電力の低減やモビリティ航続距離の向上につながり、高速回転化はモーターの小型・軽量化を可能にする。これにより、装置全体をコンパクトにできることに加え、使用材料の削減や資源効率の向上といった環境面でのメリットも生まれる。

一方で、インバータ駆動されるBLDCモーターなどでは、トルクや効率に加え、誘起電圧を含む電気特性を高回転域まで正確に把握することが、高効率な制御や信頼性の観点から重要になっている。また、高回転化に伴い、評価時に扱う回転エネルギーや駆動電圧の増大から、試験装置側にはこれまで以上に高い安全性が求められている。

こうした開発・計測ニーズの変化を受け、同社は「TSBシリーズ」の設計を見直し、ベンチデザインの刷新とオプション機能の拡充を行うことで、誘起電圧評価をはじめとした計測オプションの拡充と高回転試験を前提とした安全対策の強化に対応した。

追加された標準仕様として、筐体設計を刷新し、T-N効率に加え、誘起電圧計測、コギングトルク計測などのオプション機能を追加しても1ベンチで完結できるサイズにした。導入時あるいは将来的な評価項目の追加を容易に実現する。誘起電圧計測は、最大1万rpm超にもオプション対応が可能だ。

また、試験システム全体を囲むカバーを標準装備し、高回転試験時の接触・飛散リスクを低減し、安全な運用を実現する。

追加されたオプション機能として、幅広い誘起電圧計測に対応する。1000rpmクラスの簡易・手動調整モーターでは誘起電圧定数の確認、設計初期評価向けに、1万rpmクラスの高速モーターでは無負荷・惰性回転を含む高速回転域・実使用回転域までの評価向けに対応する。1万rpm超は個別カスタムにて対応する。

さらに、インターロックおよび扉カバーの電磁ロックに対応し、ロック中のイレギュラーなカバー解放時の緊急停止機能の対応が可能になった。ロック状態でのみ運転可能なインターロック機能、パトランプや非常停止スイッチなどの機能追加が可能になり、誤操作や不意の侵入を防止する。

ラインアップは、TSB100/300/600のベンチトップシリーズが定格トルク1~5Nm、最大回転数15000rpm、ブレーキ負荷電力4kW。TSB1200/2400/5000の台車付きシリーズが定格トルク12~48Nm、最大回転数8000rpm、ブレーキ負荷電力14kW。トルク・回転数・出力は構成や冷却条件により異なる。

《森脇稔》

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