水中無線通信に空中ディスプレイ、京セラが「CES 2026」で見せた最新技術を一挙紹介

【字幕表示システム Cotopat】言語の違いや聴覚障害者と円滑なコミュニケーションを図れる(事前説明会で撮影)
【字幕表示システム Cotopat】言語の違いや聴覚障害者と円滑なコミュニケーションを図れる(事前説明会で撮影)全 20 枚

京セラは、米国・ラスベガスで開催された世界最大のハイテク見本市「CES 2026」(会期:1月6日~9日)に同社グループとして出展。リアルタイム字幕表示システム「Cotopat」を米国で初めて出展するとともに、同グループが開発した最新技術を披露した。

出展したのは、京セラに加えて、Kyocera AVX Components Corporation、Kyocera International Inc. および京セラドキュメントソリューションズのグループ会社。各ブースでは「Cotopat」以外に、水中ドローンなどへの活用が期待される水中光無線通信や、3つのカメラを搭載した3眼AI測距カメラ、米国のグループ会社が展開するミリ波フェーズドアレイアンテナモジュール (PAAM)など、同グループの最先端技術が紹介された。

◆字幕表示システム Cotopat(コトパット)

「Cotopat」は音声をリアルタイムで認識し、文字・図解・動画をスクリーンやタブレットに表示するシステムで、聴覚障がいや言語の違いなど、多様性への配慮が求められる場面で、聞き取りづらさを解消して円滑なコミュニケーションに役立てられる。日本では2023年より販売を開始し、すでに多くの自治体や企業の窓口・受付など対面コミュニケーションの場で活用され、対応時間の短縮などに貢献し好評を得ているところだ。

ラインナップは「Cotopat Screen」「Cotopat Mobile」の2モデルあり、前者は対面でのコミュニケーションに活用され、42言語に対応。後者は携帯性に優れ利用場所を選ばずに利用できることを特徴とし、33言語に対応する。いずれも「音声認識のスピードが早くリアルタイムで字幕表示が可能」「豊富な言語対応」「図解や動画で分かりやすく伝達」といった機能を特徴とする。

これまでCotopatは2025年に日本でグローバル版をリリースし、12月にはドイツを起点に欧州市場での販売を開始。2月にオーストラリアやニュージーランドでの展開を計画している。また、CES 2026への出展を機に、アジアや米国市場へニーズを確認しながら順次展開を検討していくとのことだった。

◆水中でも高速・大容量伝送を実現する「水中無線通信」

高速かつ大容量伝送を実現する次世代海洋ICT技術で、水中での光減衰を抑え、安定した高速通信を実現するものだ。高精細映像やセンサで取得したデータをリアルタイムで送信でき、AUV(自律型無人潜水機)などによる海洋調査、構造物点検、海洋研究など幅広い用途への活用が期待される。

この通信機はKYOCERA SLD Laser製「GaNレーザー」と「Li-Fi」技術、京セラの通信技術により水中での安定した高速通信を実現。会場では通信機を2台用意して、それを大型水槽に沈めてのデモを展開した。

実際の運用では通信距離は20cm程度を想定。これまでに実証試験も重ねてきており、2025年8月には静岡県沼津市沖において、にごりや太陽光など光無線通信を阻害する環境下において、世界最速レベルとなる750Mbps(15cm時)の通信に成功することができたという。

また、CES 2026ではOFDM通信をベースとする5.2Gbpsの通信容量を実現した独自の超高速通信技術も出展。会場ではこれを使って実際に5Gbpsを超える速度で通信できている様子を披露し、さらに光や水質を違えることで通信効率がどう変化するのかも確認することができるようにもなっていた。

今後は信号を同時に複数経路で送る技術を光無線通信に応用し、単一光路の限界を超えたデータ通信の実現によって、海底油田や海底ケーブルの点検効率化や、複数の無人潜水機の協調制御といった活用方法に期待しているとした。

◆表示が浮かび上がる、ウェアラブル空中ディスプレイ

スマートウォッチの表示が浮かび上がる!それが「ウェアラブル空中ディスプレイ」だ。この技術はメタレンズ技術を活用して、光学系の小型化と奥行き感のある映像表現を両立させたもの。デモ機は赤色と緑色の映像が3cm程度浮いて立体視できるようになっており、視野角はプラスマイナス10度とかなり狭かったものの、新たな表示方法としての提案だ。

《会田肇》

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