ヴァレオと、カメラを活用した分散型物理インフラネットワーク(DePIN)のグローバル企業のNATIX Networkは、最大級のオープンソース・マルチカメラ世界基盤モデル(WFM)を構築するために提携すると発表した。
自動運転やロボティクスの急速な進歩は、多様で高品質なリアルワールド・データに対する需要の高まりに後押しされ、新たな可能性を切り拓いている。ヴァレオの世界的なモデリングに関する知見と、NATIXの分散型360度リアルワールド・データネットワークを組み合わせることで、両パートナーは現実世界の動きや相互作用を学習、予測、推論できるオープンソースの世界モデルを構築する。
物理的な世界で機能する自律型システムを構築するためには、機械が4次元環境(すなわち空間と時間)を理解することを学ばなければならない。世界基盤モデル(WFM)は、生成AIの境界をテキストを超えて現実世界へと押し広げ、システムが物理環境において推論し、将来の状態を予測し、行動することを可能にする。
既存の認識専用モデルとは異なり、マルチカメラ世界基盤モデルは「今何が起きているか」だけでなく、「次に何が起きるか」を予測する。継続的にキャプチャされるリアルワールド・マルチカメラ・データに基づいたヴァレオとNATIXのアプローチは、AIが真のエッジケースから学習することを可能にし、自律型システムの安全な導入を加速させる。
オープンソースの枠組みの下で開発されるヴァレオとNATIXのアプローチでは、モデル、データセットとトレーニングツールを公開し、開発者が世界モデルの微調整や、地域や走行条件を横断したフィジカルAIのベンチマーク測定を行えるようにする。この提携は、主にフロントカメラの映像と大規模なオンラインデータセットで学習させたヴァレオの2つのオープンソース・フレームワーク「VaViM(Video Autoregressive Model)」と「VaVAM(Video-Action Model)」をベースにしている。
NATIXは、過去7か月間で10万時間以上のマルチカメラ走行データ(60万時間のビデオデータ)を収集し、米国、欧州、アジア全域の実際の車両から継続的にデータを取得しているマルチカメラ・ネットワークによって、これを補完する。世界モデルを前方視界からマルチカメラ入力へと拡張することで、AIは自動運転車やロボットが実際に使用するのと同様の完全な空間認識能力を得ることになる。
テクノロジー企業であり、すべての自動車メーカーとニューモビリティプレイヤーのパートナーであるヴァレオは、モビリティをより安全に、よりスマートに、より持続可能にするために、たゆまずイノベーションを行っている。ヴァレオは、電動化の加速、ADASの加速、インテリア・エクスペリエンスの再創出とライティング・エブリウェアにおいて、技術的・工業的なリーダーという。2024年のグループ売上は215億ユーロ。2025年2月28日時点で10万6100人の従業員を擁し、28か国で155か所の工場、64か所の研究開発センター、19か所の物流拠点を構えている。
2020年にハンブルクで設立されたNATIX Networkは、カメラを活用した分散型物理インフラネットワーク(DePIN)。NATIXが提供する「VX360」は、テスラ車のカメラを利用して360度マルチカメラ映像を収集し、フィジカルAI(ロボティクスや自動運転)アプリケーションにとって画期的なソリューションを提供している。さらに、スマートフォン向け製品である「Drive&」アプリは、スマホカメラをクラウドソース化してリアルタイムの地理空間データを収集し、よりスマートな地図作成やスマートシティ・ソリューションを支えている。26万5000人以上のドライバーを擁し、総走行距離が2億2000万kmを超えるNATIXは、Messari社のレポート「State of DePIN 2024」において、世界最大の分散型マルチカメラ・データネットワークを運営していると評価されている。




