ドイツ3強が示した「正解なき時代」 思想で競った成熟の名車たち

BMW M3
BMW M3全 8 枚

輸入車中古車情報誌『カーセンサーEDGE』(発行:リクルート)3月号の特集は「NEO-CLASSIC GERMANY 1995→2010」。正解が一つではなかった時代に、ドイツ3ブランドが示した成熟の美学を読み解く内容となっている。

【画像全8枚】

1990年代末から2010年初頭にかけて、ドイツのプレミアムブランドは特異な時代を生きていた。電動化やデジタル化が主流となる以前、クルマはブランドの思想を体現する存在であり、理想を自由に描く余地が残されていたのだった。

いっぽうで、欧州の排出ガス規制は強化され、電子制御技術は急速に進化した。効率と性能、合理性と官能という相反する価値を、どのように「形」にするか。特集では、メルセデスベンツ、BMW、アウディが同じ問いに向き合いながら、異なる答えを選んだことを解説する。

●変わらないことで進化したメルセデスベンツ

メルセデスベンツは、過去の正解を否定せず、拡張する道を選んだ。AMGの統合などを通じて性能の幅を広げていく。4つ目ヘッドライトのようなデザイン実験も行なわれたが、完成度を保ったまま時代に応答するための揺らぎであった。

●形から再定義したアウディ

アウディは、技術や走行性能以前に「見え方」を変えることから始めた。初代『TT』は、機能説明を必要としない造形そのものがメッセージとなることを示した。やがて、シングルフレームグリルやクリーンなサーフェスがブランドの言語として確立される。

●正解を壊し続けたBMW

BMWは、完成に満足せず、あえてその定義を壊した。E39型『M5』やE46型『M3』で完成形に到達しながらも、E60世代に象徴される造形の断絶など、急進的な変化を選んだ。『Z3クーペ』のような異端的なモデルも含め、BMWは問いを投げ続けることで未来を探った。

アウディ TTアウディ TT

●アナログと電子の境界線

特集では、スポーツセダンによる三つ巴の競争や、自然吸気、ターボ、スーパーチャージャーといった内燃機関の多様な進化も取り上げる。アナログ性能がブランド哲学を最も色濃く示した時代であり、電子制御の導入をいかに思想へ昇華したかが描かれている。

ユーロ4規制への移行など、環境規制が強化される中で、3ブランドは速さの味付けやテクノロジーの使い方に独自の世界観を築いた。メーカーの理念が色濃く反映された結果、個性の際立つモデル群が生まれた時代である。


気になる見出し……●FEATURE NEO-CLASSIC GERMANY●EDGE ANGLE 140年を超えてもメルセデスは進化を止めない●テリー伊藤の実車見聞録 CITROEN DS ID19●多事放論 20代のクルマ選びについて考えてみた●Ken Okuyamaの愛するクルマ CORVETTE C2●EVの現在値 西川淳の1000km LONG TEST PORSCHE TAYCAN GTS●Car as Art! FERRARI AMALFI / CITROEN C3 HYBRID

『カーセンサーEDGE』3月号『カーセンサーEDGE』3月号

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《高木啓》

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