京成電鉄(本社:千葉県市川市)は2月13日、成田空港アクセス強化に向けた新型有料特急の車両デザインイメージの一部を公開した。あわせて、成田スカイアクセス新線整備(成田スカイアクセス線複々線化)計画の検討着手も発表した。
◆成田空港の機能強化
成田空港では第3滑走路新設などの機能強化が進められている。訪日外国人の増加に伴う混雑緩和やオーバーツーリズム対策の観点からも、空港アクセスの強化が求められている。中長期的な需要増加に対応するため、京成電鉄は成田空港アクセスの輸送力増強と利便性向上に取り組む構えだ。
成田スカイアクセス線の複々線化が実現した場合、スカイライナー、新型有料特急、アクセス特急、北総鉄道が運行する普通列車の運行本数増加が可能になり、所要時間のさらなる短縮も見込む。
◆押上発着の新型有料特急を新設
現在、有料特急「スカイライナー」は日暮里駅(東京都荒川区)から空港第2ビル駅(千葉県成田市)まで最速36分で結んでいる。運転区間は京成上野駅(東京都台東区)~空港第2ビル駅間、毎時片道3本の運転。また特別料金不要の「アクセス特急」は、地下鉄浅草線と接続する押上駅(東京都墨田区)から空港第2ビル駅まで、おおむね50分台で運行している。毎時片道1~2本の運転。
現行スカイライナーのAE形電車は、成田スカイアクセス線の印旛日本医大駅(千葉県印西市)~空港第2ビル駅間において最高速度160km/hで走行しており、新幹線を除く在来線で日本最速だ。
今回発表された新型有料特急は、押上駅~成田空港駅間に新設される計画で、運行開始は2028年度を予定する。押上駅から空港第2ビル駅までの所要時間は、最速30分台前半に短縮される見込みだ。最高速度は160km/hを想定している。
運行形態や愛称などの詳細は検討中であり、デザインコンセプトや全貌は今後段階的に公表する予定だ。
白井駅付近、複々線化予定区間を行く現行スカイライナー
◆成田スカイアクセス線複々線化を検討
京成電鉄は、さらなる輸送力増強も検討する。成田スカイアクセス線にスカイライナーおよび新型有料特急専用の新線を整備し、複々線化する計画の検討に着手した。輸送需要が拡大基調にある北総線沿線地域に対する輸送サービスを確保しつつ、増加する空港需要に応える。
国土交通省の「今後の成田空港施設の機能強化に関する検討会」中間取りまとめ(2025年6月)によると、スカイライナーの混雑は、2030年代前半にピーク時混雑率が100%を超え、2040年代前半には150%を超えると見込まれる。アクセス特急も2030年代半ばにはピーク時混雑率が150%を超えるという。
複々線化の対象区間は、成田スカイアクセス線の新鎌ヶ谷駅(千葉県鎌ケ谷市)~印旛日本医大駅間の約20km。この区間の鉄道施設の所有者は京成電鉄ではなく、新鎌ヶ谷駅~小室駅(千葉県船橋市)は北総鉄道、小室駅~印旛日本医大駅は千葉ニュータウン鉄道で、そこに京成電鉄などが乗り入れている。新鎌ヶ谷駅~印旛日本医大駅の線路の両側には、かつて複数の鉄道が乗り入れる計画があった名残で、空き地が続く。
現行スカイライナー、京成 AE形◆最高速度は160km/hに向上
複々線化後のスカイライナーの所要時間は、日暮里駅~空港第2ビル駅間を最速36分から30分台前半へ短縮する構想だ。また新型有料特急は、押上駅~空港第2ビル駅間を最速30分台前半から20分台後半へ短縮する例が示された。整備区間の最高速度は現在130km/hだが、今回発表された資料では、新線の最高速度は160km/hとなっている。
本計画は大規模な投資を伴い、回収には長期間を要する見通し。このため京成電鉄では、国、千葉県、成田国際空港株式会社など関係者と整備手法や費用分担について協議を進めるという。
また、成田スカイアクセス線の、千葉県成田市内の成田湯川駅~成田空港駅間は単線区間だ。あわせてこの区間も複線化する。鉄道施設の保有者は成田高速鉄道アクセスと成田空港高速鉄道。




