トヨタ・モビリティ基金と三井不動産は、東京・日本橋エリアにおいて、視覚障がい者用歩行支援ツールの実証実験(ワクワクプロジェクト)を実施した。
本プロジェクトは、視覚障がい者が家から一歩踏み出し、安心して目的地までたどり着き、楽しんで帰宅できる「ワクワクする世界」の実現を目指して2023年に始まった。
視覚障がい者向けの歩行支援において、街中で進行方向や曲がるタイミングを適切に案内するためには、利用者の位置を正確に把握することが不可欠であり、位置測位の精度向上が重要な課題となっている。
今回の実証実験では、歩行支援ツールを開発する6社が参加し、視覚障がい者11名に位置測位が特に難しい高層ビル街を実際に歩いてもらい、その体験を踏まえ各ツールの使い心地や社会実装に向けた課題を検証した。
参加企業は、株式会社コンピュータサイエンス研究所、株式会社Ashirase、リンクス株式会社、株式会社プライムアシスタンス、錦城護謨株式会社、パナソニック アドバンストテクノロジー株式会社の6社である。
検証対象となった歩行支援ツールは、スマートフォンアプリ、歩行誘導マット、歩行支援ロボットの3種類で、企業の垣根を超えて各ツールの特性や機能を補完し合う可能性についても検討し、共創による効果を検証した。
本実証実験は、「Mobility for ALL 心も動く移動を、すべての人に。」を掲げるトヨタ・モビリティ基金が主催者として企画・推進し、街づくりを通じて日本橋を把握している三井不動産が、検証設計や実証環境の整備に協力した。
協力団体として、株式会社ヘテヘテが障がい者とのインクルーシブデザインの知見を生かして実験の詳細設計および運営に協力し、東京都市大学都市工学科稲垣研究室が実証実験全体に関する助言および有志の学生による実験当日の安全確保を担当した。
実証実験を通じて、視覚障がい者から各歩行支援ツールについてフィードバックを得ることができ、音声案内の分かりやすさや操作時の負担感など、ユーザーインターフェースの改善に向けた具体的な意見や示唆を確認した。
また、GPSだけでは正確な位置測位が難しい都心のビル群や屋内環境においても、画像認識やセンサー情報など複数の技術を組み合わせて活用することで、曲がるタイミングや進行方向の案内精度を高め、実際の街の中での運用を想定した歩行支援の可能性を確認した。
2025年に実施した前回の実証では、高層ビルが立ち並ぶ都市環境において、進行方向がずれる、曲がる位置を正しく認識できないといった、位置測位に関する課題が多く確認されていた。
ワクワクプロジェクトは、トヨタ・モビリティ基金が主体となって推進している。日本橋を「すべての人が安心して訪れ、だれもが活躍できるインクルーシブな街」とすることを目指す三井不動産と連携することで、日本橋での取り組みを起点に、安心・安全な移動を支える技術やサービスの社会展開を目指す。
ワクワクプロジェクトは、今後も得られたフィードバックをもとにさらなる改良に取り組み、移動を取り巻く社会課題の解決と、これまで以上に安心・安全で「ワクワクする世界」の実現に向けて、検討を加速していく。




