インフィニオン テクノロジーズは、BMWグループの新世代EV「ノイエ・クラッセ」のソフトウェア定義車両(SDV)アーキテクチャの形成において、重要な役割を果たしていると発表した。
ノイエ・クラッセは、電動化、デジタル化、サステナビリティを組み合わせることでモビリティを再定義するプラットフォーム。統合的で柔軟、将来にわたり対応可能なE/Eアーキテクチャを提供することで、より安全で、よりスマートで、より持続可能なモビリティソリューションのための革新的な基盤を築く。
インフィニオンのソリューションは、高性能かつ信頼性の高いコンピューティング、高速データ接続、スマートで高効率な電力管理を実現する。同社のAURIXおよびTRAVEOマイクロコントローラー、BRIGHTLANEイーサネット コネクティビティ ソリューション、OPTIREG電源管理IC、そしてSDV向けのPROFETスマート パワー スイッチおよびeFuseといったポートフォリオを活用している。
同アーキテクチャの中核には、4つの高性能セントラル コンピューティング ユニット「スーパーブレイン」がある。そのうちの1つが「Heart of Joy」で、加速、制動、操舵といった走行ダイナミクスを、単一の高速コンピュータで統合制御する。従来システムより高速な処理を可能にし、遅延を最小化することで、ドライバーはよりスムーズなハンドリングと、よりダイナミックで応答性の高い走行体験を得られる。さらに、エネルギー回生の最適化により車両の航続距離を大幅に伸ばす。
こうした精密な車両性能を安全に路上で実現するため、同システムの演算基盤はすべてインフィニオンのマイクロコントローラーで構成されており、最新世代のAURIXマイクロコントローラー(TC4D)が中核を担う。高速のBRIGHTLANE イーサネットは、「Heart of Joy」を他のシステムとシームレスに接続し、最適な性能に必要なリアルタイム応答性を確保する。
残る3つの「スーパーブレイン」は、自動運転、インフォテインメント、車両基本機能の運用を担う。全4つの「スーパーブレイン」は、3つのゾーン コントロール ユニット(ZCU)により支えられる。これらZCUも制御はすべてインフィニオンのマイクロコントローラーで行われ、データ フローと電力分配の最適化を担う。一方、エンドポイントECUは、トラクション インバーター、電力管理、オンボード チャージングなどの重要アプリケーションを処理する。
車両プラットフォームのゾーン設計は、効率向上と使用材料の削減にも寄与する。BMW『iX3』の配線ハーネスは、従来世代より複雑さが低減され、総延長で約600m短くなった。これにより重量も約30%軽くなる。さらに、インフィニオンのPROFET Wire Guardファミリーに代表されるスマートeFuseが、車両1台あたり最大150個の従来型ヒューズを置き換えることで、BMWグループはE/Eアーキテクチャ全体にわたり、インテリジェントで高効率な電力分配を実装できる。
eFuseはソフトウェア制御の電力管理をサポートし、車両が電力分配を動的に調整可能にする。車両の状態(例えば、充電、走行、駐車、アップグレード)に応じて不要な電力消費を止めることで、エネルギー効率を約20%向上させる。
インフィニオンの半導体は、クリーンで、安全でスマートな車を実現する。重点領域の1つは、SDVの基盤となる中央集約型E/Eアーキテクチャの進展。インフィニオンは2020年以降、車載半導体の世界的リーダーだ。この地位を強化するため、インフィニオンは2025年8月にマーベル・テクノロジーの車載イーサネット事業を買収した。イーサネットは、自動運転や無線アップデートなどのSDV機能に必要な、高速・低遅延通信を可能にする重要技術、としている。




