RAYS『TE37』シリーズはなぜ30年愛され続けたのか? 6本スポークの起源、30th記念モデルのこだわりに迫る

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RAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARY
RAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARY全 59 枚

日本を代表するホイールのひとつが、RAYS(レイズ)のVOLK RACINGTE37」シリーズだ。ストレート形状の6本スポークは、見ただけでTE37を連想するほどの定番スタイルになった。TE37が2026年にデビュー30周年のアニバーサリーイヤーを迎えて特別モデルが登場。30年にも渡る歴史とともにルーツに迫っていく。

6本スポークの起源はIMSAのリアルレーシングから

RAYS VOLK RACING TOURING EVOLUTIONRAYS VOLK RACING TOURING EVOLUTION

1996年にデビューしたボルクレーシングTE37は、鍛造の1ピース構造による軽量・高剛性を武器にしたモータースポーツ由来のホイールとして、幅広いユーザーに評価されてきたモデルだ。誕生以来、ストレート形状の6本スポークというフォルムが不変なのも特徴で、細部の進化やカラー変更、素材や構造の進化を続けながらも基本フォルムは変えてこなかった。これがTE37をレジェンドモデルとして確立する理由のひとつでもある。

TE37が誕生したのは1996年だが、その3年前の1993年には伝統の6本スポークがすでに生まれている。北米のスポーツカレースシリーズであるIMSAのスポーツプロトタイプ・クラス(GTP)に「ボルクレーシング GTP」を供給し、そのレーシングホイールの形状が6本スポークだった。

RAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARYRAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARY

開発スタッフの証言によれば、6本スポークはセンターパートに対して対向するスポークが直交する構造になり、ホイールを持ちやすい(左右の手でスポークを握って水平に持ち上げられる)ため、交換作業をスピーディにこなせる点も理由のひとつだったという。

さらに翌1994年には、IMSA・GTP向けレーシングホイールに鍛造1ピース構造が採用され、“6本スポーク×鍛造1ピース”という現在のTE37につながる原点が形になる。レーシングホイールが従来のマルチピースから1ピース鍛造へ動き始める潮流を先取りしたのもレイズだった。

RAYS VOLK RACING TOURING EVOLUTIONRAYS VOLK RACING TOURING EVOLUTION

さらに1995年にはJTCC(全日本ツーリングカー選手権)/BTCC(イギリスツーリングカー選手権)向けレーシングホイールとしてTouring Evolutionが登場する。ツーリングカーレースにおけるハイパフォーマンスホイールを意味するTouring Evolutionが“TE”のルーツになっていた。こうしてTE37を生み出すピースがレーシングホイールの世界で出揃い、市販モデルへの流れが確実に醸成されていった。

1996年、ホイール重量3.7kgに由来してTE37が初登場

RAYS VOLK RACING TE37RAYS VOLK RACING TE37

こうしたレースシーンでの活躍を受け、1996年に満を持してTE37がデビューする。初期モデルを見てもスポーク形状など基本フォルムは今と大きく変わらず、完成度の高さが伝わってくる。初年度は15インチのみの設定で、6.0Jサイズのターゲット重量が3.7kgだったことから「TE37」と命名された。発売当初のカタログでは意外にひっそりと掲載されていたが、当時としては破格の軽さと強度を併せ持つホイールとして、瞬く間にスポーツユーザーに受け入れられていく。

30周年記念モデル(左)/初代のOGモデル(右)ブロンズの色味も時代に合わせて変化していった30周年記念モデル(左)/初代のOGモデル(右)ブロンズの色味も時代に合わせて変化していった

TE37が特別なのは、先鋭的なホイールにありがちな“尖った一部ユーザー向け”で終わらなかった点だ。特定レースや特定車両に特化したハイパフォーマンスホイールは多いが、TE37はさまざまな車種に対応するラインアップを早期に充実させた。背景には、鍛造モデルとしては段違いにリーズナブルだったこともあり、スポーツ走行を楽しむユーザーのすそ野を広げた

デビュー翌年には15インチに加え、16/17/18インチを一気にリリース。レーシングカー由来のフォルムを自分のクルマに履かせたいというニーズを汲み取り、ラインアップを拡大していった。その結果「何に履いてもかっこいい」「小径から大径まで揃う」というイメージが形成される。レース車両だけでなく、幅広い車種でTE37を履きこなしたいという要望に応えたことも、TE37がスタンダードになった大きな要因だ。

イメージカラーとなったブロンズ、止まらない進化がTE37らしさを確立した

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TE37がスポーツホイールとして先駆的だった点のひとつがカラーリングだ。レーシングホイールはホワイトかシルバーが定番で、初代TE37にもホワイトを採用している。加えてデビューモデルから用意されたのがブロンズだった。

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軽量を求めた答えとして、塗料による重量増を抑えるために採用されたのがアルマイト処理によるカラーリングで、ナイトシーンでもホイールの凹凸や形状が分かりやすい点も採用理由のひとつだったという。こうして“TE37=ブロンズ”という定番イメージが育っていく。

RAYS VOLK RACING TE37 SAGA S-plus TIME ATTACK EDITIONRAYS VOLK RACING TE37 SAGA S-plus TIME ATTACK EDITION

デザイン面では、6本スポークを守りつつ各部の意匠を進化させ続けたのもTE37の魅力だ。リムのダイヤモンドカット、REDOTやタイムアタックエディション、レイズの特許技術であるA.M.T.によるロゴの繊細な切削など、先進の意匠を重ねて時代のニーズに合わせて進化し続けてきた。

素材と構造のアップデートで現役最強モデルを貫く

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素材や構造でも進化を続けることが、TE37が30年を経ても最先端のポジションを保つ理由だ。例えば誕生間もない1998年にはマグネシウムモデルを投入し、2017年には超超ジュラルミンを使ったモデルも投入している。

RAYS VOLK RACING TE37 SAGA S-plus Black Shadow LTD.RAYS VOLK RACING TE37 SAGA S-plus Black Shadow LTD.

本流のアルミモデルも、誕生20年目にあたる2017年に新世代のTE37「SAGA」へ進化し、2021年には強度基準を高めた「SAGA S-Plus」が登場。車両性能や時代に合わせた進化を続ける姿勢こそがTE37らしさで、“往年のモデル”に留まらない現役感が、新旧ユーザーに支持される理由になっている。

2026年ついに登場、TE37 30th記念モデルシリーズの選び方

RAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARYRAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARY

TE37が30周年を迎えた2026年、アニバーサリーイヤーに合わせて特別モデルがリリースされた。ラインアップは「TE37 SAGA S-plus 30thアニバーサリー」「TE37 SAGA SONIC 30thアニバーサリー」「TE37 SAGA ULTRA LARGE P.C.D. 30thアニバーサリー」の3モデルだ。SAGA S-Plusをベースにした本流に加え、小径向けのSONIC、ラージP.C.D.向けのULTRAを同時展開し、スポーツモデルだけでなくコンパクトカーやSUVまで適合範囲を広げた点もTE37らしい。

RAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARYRAYS VOLK RACING TE37 30th ANNIVERSARY

フォルムは伝統の6本スポークを踏襲。カラーはデビュー当時からのホワイトブロンズの2色を設定する。さらにバルブキャップにはブルーを採用。かつてホワイトホイールにブルーロゴを配した“レイズブルー”へのオマージュが、30thアニバーサリーモデルならではのエッセンスとして盛り込まれている。

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一方で30thモデルは、往年の復刻に留まらない点も重要だ。ベースは最新技術で設計されたSAGA S-Plusで、強度基準も最新スペックを確保。見た目の記念性だけでなく、現代のスポーツホイールとしての性能も両立させている。意匠面でも進化は明確で、退色が課題になりがちだったホワイトは最新の塗装技術で耐候性・耐久性を高めた。またブロンズは当時の塗装から、より耐久性の高いアルマイト処理へ進化させている。当時の雰囲気を現代技術で再現しながら、進化を止めない姿勢が感じられる。

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そして30thアニバーサリーモデルには、マシニングとステッカーの2シリーズを展開する。マシニングはディスク面などにVOLK RACINGやRAYSのロゴを切削処理した現代的なデザイン。一方でステッカーは往年のイメージを残したステッカー処理としているのが特徴だ。いずれもカーボンのスポークステッカーが付属し、自分好みにアレンジできる点も注目したい。復刻感を優先するならステッカー、最新感を強めたいならマシニングという比較軸が分かりやすい。

30周年イベントも計画中!限定グッズも要チェック

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2026年は30周年アニバーサリーイヤーとして、1年を通じて様々な取り組みが予定されている。第1弾の30thアニバーサリーモデルに続く第2弾にも期待が高まる中、オリジナルグッズの販売も始まっている。今しか買えないピンバッジはすでに人気で、Tシャツ、キーホルダー、アクリルスタンドなど記念グッズも今年限りの限定品となる。TE37ユーザーなら見逃せないラインが揃うため、気になる人は早めにチェックしておきたい。

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30年間変わらないデザインを守り、スポーツホイールの大スタンダードになったボルクレーシングTE37。同時に、常に最先端であり続ける進化の歴史が、幅広いファン層に支えられる理由でもある。レイズが掲げる「The Concept is Racing」を体現し続けるTE37を、30周年の今年あらためて見直してみるのも面白い。

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《土田康弘》

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