なぜ原油価格が上がるとすぐにガソリン価格も上がるのか---35.5円/L値上がりの184.7円/L

イスラエル、テルアビブ市内で、イランによる攻撃で発生した火災(3月15日)
イスラエル、テルアビブ市内で、イランによる攻撃で発生した火災(3月15日)全 5 枚

原油価格が上昇すると、日本のガソリン価格も比較的早く値上がりする印象だ。中東でタンカーに積み込んだ原油がまだ日本の製油所に入港していないのに、だ。

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これはガソリン価格が「原料となった原油の仕入れ価格」ではなく、現在の石油市場の価格(市況)に連動して決まる仕組みになっているためだ。

●2週間で約35円/Lの値上がり

イードが運営する『e燃費』集計データによると、日本市場のガソリン価格全国平均は、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始した直後の3月1日と比べて、15日には、レギュラー看板価格が35.5円/L値上がりの184.7円/L、実売価格が34.2円/L値上がりの178.8円/L、ハイオク看板価格が36.4円/L値上がりの196.5/L、実売価格が34.1円/L値上がりの190.1円/Lになっている。いずれも2025年10月の水準だ。

●「いくらで作ったか」より「いくらで売れるか」

日本では、石油元売会社がガソリンスタンドへ販売する卸価格を、主にドバイ原油価格やシンガポールの石油製品価格、為替などの国際市況を参考に決めている。これらは日々変動するため、卸価格も週単位などで調整されることが多い。

中東から日本まで原油を輸送するには約3~4週間かかるが、ガソリン価格はその原油がいつ積み出されたかに関係なく、販売時点の市場価格に合わせて調整される。このため、原油価格が上昇すると、1~2週間程度でガソリン価格にも上昇圧力が表れることが多い。

石油は国際商品であり、「いくらで作ったか」よりも「市場でいくらで売れるか」で価格が決まる。この仕組みが、原油価格の変動が比較的早くガソリン価格に反映される理由だ。

●世界の原油価格は誰が決めているのか

ニュースでは「原油価格が上昇」「原油が100ドルに迫る」などと報じられるが、原油価格をひとつの機関が決めているわけではない。原油は国際商品であり、価格は世界の市場取引によって形成される。

現在、世界の原油価格の指標として使われているのは主に3つのベンチマーク原油である。WTI(米国)、ブレント(北海)、ドバイ(中東)で、それぞれ地域の取引の基準となっている。

WTIやブレントは、ニューヨークやロンドンの先物市場で売買される価格が指標となる。一方、アジア市場で使われるドバイ原油は、取引情報をもとにS&P Global(旧プラッツ)やArgus Media(アーガス・メディア)といった価格報告機関が日々の評価価格を算出し、業界の指標として使われている。

石油会社や産油国は、このベンチマーク価格を基準にして販売価格を決める。そのため原油価格は、世界の需給、地政学リスク、為替、投資資金の動きなどによって日々変動する。つまり原油価格は「誰かが決めるもの」ではなく、世界の市場参加者が取引を通じて決めている価格なのだ。

《高木啓》

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